2015年7月のGoogle検索ワード 急上昇ランキング、1位は「台風情報」。実は、5月にも「台風」が1位になっており、台風接近時の情報源として検索が頼られていることがうかがえる。

一方で、7月後半からは各地で毎日のように最高気温30度以上、35度を超えることも珍しくない猛暑が続き、「熱中症」の検索量も急上昇した。まだまだ暑さは継続中なので、調べた対策をしっかり役立てたい。

2015年7月のGoogle検索ワードの急上昇ランキング (データ提供 : Google)

風物詩などと言っている場合ではない

通常、ここではランキング1位のワードをピックアップしているが、前述の通り、台風関連は5月にも取り上げたため、今回は2位の「高校野球」を取り上げよう。

今年の夏の全国高校野球選手権大会、通称「夏の甲子園」は、1915年に第1回大会が開かれてからちょうど100回目となる。NHK朝日新聞が記念コンテンツを公開していることもあってか、Googleトレンドで検索ボリュームの推移を調べると、この7月が過去最高値となっている。

毎年出場校が変わり、選手も変わるという1回限りのスペシャル感は高校野球ならでは。それゆえに反映される社会の変化、心に残る人間模様に魅力を感じる人も多いだろう。

相対的に10年間で倍以上のボリュームに

しかし、今年は特に8月に入ってから、途切れることなく猛暑日が続いている。選手はもちろん、運営だって応援客だってツライはずだ。体を壊す選手や、熱中症で倒れる観客もいるだろう。

筆者は最近「そこまでして、一番気温の高い時間帯に試合を行う必要があるだろうか……」と思わずにいられない。午後イチの試合は休みにしてナイトゲームにするとか、放送枠的に支障があるならその分は翌日録画で流すとか、何かやりようはあるような気がするのだがどうだろう……。

大阪府豊中市の過去1ヵ月の最高・最低気温を平年と比較。気象庁の「過去の気象データ・ダウンロード」」より(西宮市は気温の記録がなかったので、近い場所で)

"調べること"の意味と価値

3位に入った「一回転」は、Google検索の"隠し機能"のひとつ。「一回転」と検索すると、検索結果画面が一回転して表示されるというものが、テレビ番組で紹介され急上昇した。他にも画面が傾く「斜め」や、バラバラになって落ちる「グーグル 重力」、ゲームができる「Zerg Rush」などが紹介された。こうした本来の目的とは関係ない隠し機能は、イースターに子供が隠された卵を探す遊びにちなみ"イースター・エッグ"と呼ばれている。

Google検索にはこうした遊び心ばかりでなく、実用的な裏技もいろいろと搭載されている。検索窓で計算ができることは有名だが、「500ドル」「80ユーロ」といった為替換算や、「700マイル」「30時間は何秒」といった単位換算も可能。

「天気」ではGPSやインターネットのアクセスポイントから自動的に検索している地点を表示

ドルやユーロ以外の通貨、為替情報サイトや換算アプリなしで調べられる

他にも、「英和/和英 + 単語」で意味を調べたり、「○○から××(駅名)」で乗り換え案内を調べるといった機能もあり、それぞれのサービスサイトを開かずに用が足りる。「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」をミッションとして掲げているGoogle。Webサイトを探すためだけに使っていてはもったいない。

9年半におよぶ宇宙の旅

9位の「冥王星」は、7月13日にNASAの無人探査機ニュー・ホライズンズが接近し撮影した写真が公開されたことで注目を集めた。ニュー・ホライズンズは2006年1月に冥王星を含む太陽系外縁天体の初探査を目的に打ち上げられ、途中の木星における観測と重力を利用した加速を経て、冥王星への史上最接近観測を成し遂げた。約50億キロ、9年半に及ぶ旅だ。遠いうえに月よりも小さく観測が難しかった冥王星の、人類初の鮮明な画像がもたらされたのだ。

地球から冥王星に向かおうとする場合、その距離も位置もお互いに一定ではない。地球は太陽の周りをおおよそ一定距離の軌道で公転しており、この距離は「1天文単位」とされている。一方の冥王星は太陽に近い時には約29天文単位、遠い時には約49天文単位という歪んだ軌道を、およそ247年という周期で公転している。しかも太陽系の各惑星は百科事典などの図で見るように同じ平面上には並んでいないのだ。

有名になったハートの写真以外にも、冥王星の大気や表面の氷の観測写真なども / (C)NASA

NASAの公式サイトは基本的に全ての写真・動画・3Dデータなどを「not copyrighted」として公開しており、広告以外の目的であれば一般の利用が可能。ニュー・ホライズンズのその他の写真も探してみよう。

報道された写真を見るばかりでなく、冥王星やニュー・ホライズンズについて関連する事柄を調べていくことで、惑星探査のより深い面白さが分かってくるはずだ。調べたいテーマがあれば検索は非常に強い味方になる。お子さんの夏休みの自由研究に、活用してみてはいかがだろう。