セルシスは18日、同社のイラスト・マンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」に2Dアニメ制作の機能を搭載すると発表した。正式リリースは10月末を予定している。
今回発表されたアニメ制作機能は、CLIP STUDIO PAINTの操作感をそのまま活かしたもので、既存ユーザーは慣れ親しんだユーザーインタフェース上でスムーズにアニメ制作機能を使い始めることが可能という。また、本ソフト単体でカメラ固定のカットをムービーとして出力できるほか、10月末にアップデート予定のデジタルアニメ制作ツール「CLIP STUDIO ACTION」を併用すると、カメラワークなどの演出もつけられるとのこと。
このCLIP STUDIO ACTIONは、PAINT EXで制作した動画にカメラワークの設定やBGM・効果音を追加したり、2Dの背景上に配置した3Dキャラクターにモーションをつけてアニメーションを制作できるソフトで、同社はPAINT EXユーザーを対象に、同ソフトを無料で利用できる期間限定のキャンペーンも予定しているという。
このほか具体的な機能としては、セルの解像度やサイズ、レイヤー構成などを自由にカスタマイズし、テンプレートとして登録できる「テンプレート機能」、セルや画像をライトテーブルに登録し、参照しながら描画を行える「ライトテーブル・中割り作画機能」、前後のセルを半透明表示し、作画の参考にできる「オニオンスキン機能」、aviやmov形式のムービーファイルを読み込む機能、フレームレートや再生時間を設定しタイムラインを作成できる機能、制作した動画をaviやQuickTime形式のムービーに書き出したり、連番のファイル名がついた画像に書き出したりできる機能などが追加されるとのこと。
同社は会社創業時の1991年よりアニメ制作ソフト「RETAS」シリーズを開発・販売しており、同シリーズはTVアニメや映画制作を行う多数の制作会社に利用されているという。今回のアニメ制作機能は、このRETASシリーズで培ったノウハウを活かして開発されているもので、プロの現場はもちろん、個人クリエイターにも活用してほしいという想いから「CLIP STUDIO PAINT EX」の機能として実装を決めたとしている。
なお、同社は同日よりクローズドベータテストへの参加者を募集。応募条件は「アニメ制作会社、スタジオやその他関連企業に所属または取引関係があり、アニメ制作を行っている方」となっており、参加者はベータテストサイトにおいて、ソフトウェアの使用感や機能についてのレポートやアンケートに回答する必要がある。募集期間は8月18日~9月7日17:00まで。詳細は「CLIP STUDIO.NET」を参照してほしい。