フリマアプリ「FRIL(フリル)」を提供するFablicとヤマト運輸は8月17日、フリルの補償サービスつき「ネコポス」による配送サービスを9月上旬より開始すると発表した。
フリルはダウンロード数が380万件を突破し、フリマアプリ(個人間取引)では先行するメルカリに次ぐポジションにいる。7月にはアプリを大幅にリニューアルしたほか、女性限定で運用してきたサービス方針を転換、男性でも利用できるようになった。
現在の月間物流総額は5億円を超えており、人気のジャンルは洋服やハンドメイドアクセサリー、キッズ用品など幅広いという。昨年10月にお伝えした安心・安全の取り組みでは、個人間取引に起こりやすいトラブル対策として個人情報が確認できる書類の提示や、ユーザーがカスタマーサポートとして参加しているため、そういった部分も人気の要因だと同社では分析している。
一方のヤマト運輸は、4月1日から「小さな荷物」の配送ニーズに対応する「ネコポス」の提供を開始。通常は法人・個人事業者向けとして提供されているサービスだが、今回Fablicとヤマト運輸の連携により、アプリ内で配送手配を行うだけで「ネコポス」を利用できる。なお、同様の取組みについては競合のメルカリもサービス提供を行っている。
一方で、Fablicにおけるサービスついては独自の「フリルあんしん補償」という新補償サービスが用意される。数万円の上限つきながら、販売者と購入者に取引の全額補償が行われるが、詳細はサービス開始時に公開される。なお、Fablicの補償を適用する場合、ヤマトの補償(上限3000円)は利用できない。同社によると、出品者にも補償サービスを提供するのは業界初だという。
サービスは、売買取引の成立後に、FablicからQRコードをフリルアプリ上で出品者に発行。出品者は、ヤマト運輸直営店の店頭端末「ネコピット」でQRコードを読み取り、送り状を印字して商品を発送するだけとなる。
サービス開始時にはヤマト営業所のみの取り扱いとなるが、今年度内をめどに、コンビニで送り状を発行し、発送できるサービスの提供開始を予定している。また、アプリ上で投函完了の配達状況をプッシュ通知する機能や、住所などの個人情報を開示する必要なく、荷物が送れる匿名配送サービスも提供する予定。
Fablic 代表取締役 堀井 翔太氏によると、今回のサービス提供について「これまでは出品者への補償が手薄だった」と現状からのサービス改善を図った点を強調。
「フリマアプリのパイオニアとして出品者にも購入者にも"安心"して使っていただくために、まず商品を出品していただく、出品者への補償を手厚くしたいと考えました。業界で初めて出品者への補償を設ける事で、より安心安全にフリルをご利用いただけるようにします。今後は「ネコポス」を通して更に匿名配送やコンビニ対応を進めて、最も安心・安全に使えるサービス構築を目指します」(堀井氏)
また、昨年10月の200万ダウンロード突破から約10カ月で倍近い380万ダウンロードまでユーザー数が伸長した点については、順調な推移との認識で、男性ユーザー開放も上手く回遊に繋がっていると語っている。
「フリルはサービス内にユーザー同士の強烈なコミュニティができあがっており、女性だけだった時の良いコミュニティが失われないか心配だったが、開放後も順調に数字は推移しており、既に男性同士の商品売買も始まっている。今後も健全な場所作りを目指しながらユーザー数を増やすことで、より多くの方に個人間取引を楽しんでいただきたい」(堀井氏)