マカフィーは8月7日、同社のブログで、AppleのiOS 9に搭載される複数の新しいセキュリティ機能に関する紹介記事を公開した。

新機能のなかでも4つは注目に値し、ユーザーの毎日のセキュリティ対策を改善する非常に重要なものだという。

1つ目はパスコードだ。iPhone登場以来、4ケタのパスコード(個人識別番号)を活用してデバイスにロックをかけてきたが、4ケタのコードは1万通りの組み合わせしかなく推測が容易であるため、徐々に対応が難しくなってきている。iOS 9ではパスコードを6ケタにすることで、100万の組み合わせが利用できるようになり、クラッキングは今よりはるかに困難になる。

2つ目は2段階認証。2段階認証は、デバイスへのアクセスの認証に、ユーザーの知っていること(パスワードなど)と、所有しているデバイス(スマートフォンなど)の2つを使用するもので、同社はこれまでも利用してきた。 iOS 9では、iTunesでの購入や新しいデバイス/Webブラウザからのログインでも2段階認証を有効にし、2段階認証ソリューションをエコシステム全体で活用しようとしているようだという。ユーザーがパスコードまたは指紋を提示し、その後デバイスに送信されるPINを入力するこのシステムは、手間は増えるものの、ハッカーと悪質コンテンツに対する強力な抑止になり、セキュリティ向上に資するものだという。

3つ目は仮想プライベートネットワーク。iOS 9では、仮想プライベートネットワーク(VPN)を強化し、パブリック・ネットワークを介したWebブラウジングとサービス通信の安全性を高めている。保護されていないパブリックWi-Fiを利用している場合、ハッカーはメールやソーシャルネットワークを介して容易にユーザーのモバイル通信に入り込むが、この新機能は、そのような脅威からのユーザー保護に大いに貢献するそうだ。

4つ目は広告ブロック。iOS 9では開発者に広告をブロックする拡張機能の作成を許可するので、ユーザーはモバイル・デバイスの使用中にWeb内で大量の広告を目にする必要がなくなるかもしれないという。モバイル広告は迷惑なだけでなく、悪質なソフトウェアの配信に使用されることもあるため、Appleは、悪質な広告をフィルタリングし、ブロックすること自体を開発者に許可することで、より安全なモバイル基準を打ち立てる考えだ。

Appleは、上記の機能以外にもiOS 9のプラットフォームのいくつかのセキュリティ機能を改良。マカフィーは、「世界で最も人気の高いオペレーティングシステムの1つにこうしたセキュリティ改良が加えられたこと自体が、より安全な世界に向けた大きな一歩と言える」とし、今後さらに多くの改良が見られることを期待するとしている。