東京都・銀座の松屋銀座は、画家バルテュスの未亡人、節子・クロソフスカ・ド・ローラの暮らしを紹介する「ド・ローラ・節子の暮らし展 バルテュス夫人、スイス グラン・シャレで活きる日々」を開催する。会期は9月25日~10月5日。会場時間は10:00~20:00(10月5日は17:00まで、入場は閉場の30分前まで)。入場料は一般1,000円、高大生700円、中学生500円、小学生300円。

グラン・シャレの室内にて 写真:Ikuo Yamashita

マンドリンのある静物 写真:Ikuo Yamashita

お茶会のテーブルセッティング 写真:Ikuo Yamashita

同展は、20世紀最後の巨匠と称えられた画家バルテュスの未亡人、ド・ローラ・節子の美しく豊かな暮らしぶりを紹介するもの。節子氏は、文化・芸術に造詣が深かったバルテュスとの約40年にわたる西欧での生活でも日本人の和の心を大切にし、現在は、バルテュスとともに過ごしたスイス最大の木造建築、250年以上の歴史を持つグラン・シャレで家族とともに暮らしている。その暮らしぶりは決して華美なものではなく、祖母らから受け継いだ着物を身につけ、ガーデニングをこよなく愛し、友人や来客には四季折々に趣向をこらして部屋をしつらえ、食器やお料理にこだわり、手作りのおもてなしをする。同展では、着物や手作りの品、テーブルコーディネートや、手芸の部屋の再現、絵画作品など約180件が展示されるということだ。展示されるテーブルコーディネートには、朝食やアフタヌーンティーなど日々の食事、クリスマスなど特別の日のおもてなし、手作りの品や和と洋を取り入れ、春夏秋冬それぞれの季節に、グラン・グランシャレでの生活を彩る節子氏のおもてなしの心が表れている。また、節子氏がデザイン・原型制作をしたフランス・パリのアスティエ・ド・ヴィラット社の器を使ったテーブルセッティングも紹介されるということだ。

また、一方で、節子氏はバルテュス財団の名誉会長やユネスコ平和芸術家などの社会活動のみならず、画家、随筆家としても活躍している。節子氏は20世紀最後の巨匠と称された画家、バルテュスの創作活動を妻として支えるだけでなく、自身も画家として活動し、これまでジュネーブ、パリをはじめ、2012年には南仏エクサンプロヴァンスにあるセザンヌのアトリエで個展を開催してきた。同展では、グワッシュによる静物画、インク絵、絵本の原画などが展示される。

そのほか、会場ではスイスのグラン・シャレの家の内部や、花が咲き乱れる美しい庭、ロシニエール村の風景などが映像や写真で紹介されるということだ。