NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)と実践女子大学人間社会学部准教授 斎藤明(斎藤明研究室)は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」会員モニターの、観光関連サービス業に従事するビジネスパーソンを対象として、「訪日外国人観光客(インバウンド)」獲得に向けたプロモーション(インバウンド・プロモーション)活動の現状、さらにインバウンド市場獲得に向けて高い注目を集める、外国語でのSNS活用についての現状と課題について調査した結果を公表した。

調査によると、インバウンド市場獲得を今後の優先課題(「どちらかといえば、あてはまる」「あてはまる」「非常にあてはまる」の合計)とする回答が、48.5%と約半数を占める結果が得られた。加えて、インバウンド市場を魅力的な市場と捉えている回答者も50.8%と、インバウンド市場への関心の高さが伺える。

インバウンド対応として、現在提供しているサービスについては「クレジットカード決済(55.4%)」、パンフレットや利用ガイドなどの「英語での案内(53.9%)」「英語でのHP(47.7%)」が上位をしめる一方、「インターネット接続(Wi-Fiなど)(40.9%)」も4割を超えていた。

今後のインバウンド・プロモーション活動の課題は、「情報発信充実」分野では「広報・情報発信の充実(33.1%)」「英語HPの開設(32.2%)」、「能力向上」分野では「従業員の語学力向上(37.5%)」「接遇スキル向上(37.2%)」、「連携強化」分野においては「観光協会(29.7%)との連携強化」「国内の旅行会社(29.1%)との連携強化」「海外の旅行会社との連携強化(27.6%)」」が上位を占めた。

インバウンド・プロモーション活動での現状での取り組みに関しては、「英語やほかの外国語でのSNSの開設」の現在の実施状況が英語で22.9%、ほかの外国語で22.3%となり、取り組み項目のなかで最下位である一方、今後の実施予定については、「英語でのSNS開設」42.1%、「英語以外の外国語でのSNS開設」41.5%と高いポイントを示し、インバウンド市場獲得に向けて多言語でのSNS活用への注目の高さが伺える。

実施中のインバウンドプロモーション施策(左)と実施予定・検討中のインバウンドプロモーション施策(右) 資料:NTTコム オンライン

英語などの外国語でのSNSを運用する理由は、「インバウンドのSNS利用が多い(56.3%)」「インバウンドからの問い合わせへの迅速な対応(47.4%)」があげられた。一方、外国語でのSNS運用に関する課題としては「運用人材の不足(46.6%)」「SNS上での問合せなどへの迅速な対応ができない(42.1%)」があげられており、人的リソースの不足があるようだ。

また、インバウンド受入に際しての不安には、「外国人観光客のニーズにあう商品・サービスの充実(27.6%)」があげられた。

SNS上の外国人観光客の意見(インバウンド・データ)を活用した調査・分析の実施状況については、「実施予定・準備中(35.7%)」がと最も高く、「実施を検討中(29.6%)」がそれに続き、「行うつもりがない(6.1%)」に比べると、それぞれ、高い値を示している。今後インバウンド・データの分析と活用が期待される様子がうかがえる。