花王は8月4日、日本人女性のしなやかな髪質の要因を解明したと発表した。同成果は10月22~23日に開催される「繊維学会秋季研究発表会」で発表される予定。
同社は約40年にわたり10~60代の日本人女性の髪質実態調査を実施しており、今回の研究では「しなやかな髪質」を先天的に保有する人とそうでない人のうち、特徴的な10人の毛髪の内部構造を解析した。
その結果、「しなやかな髪質」の毛髪では、表層付近に繊維がねじれて並んだコルテックス細胞が、内部に繊維が平行に並んだコルテックス細胞が多く配された二層構造であるという特徴を見出した。コルテックス細胞は、髪のしなやかさ・形・色などの性質に関連していることで知られる。この二層構造により「表層は柔軟で内部は弾力がある」という物理的性質が生まれていることが「しなやかな髪質」の要因の1つになっていると考えられるという。
花王は、「今後もヒト(意識・行動・髪質実態)と物質(健康で美しい髪質を保つ技術)の大きく二つの側面からの研究知見を深化・融合させて、髪質の本質を追究する研究に注力するとともに、元の髪質によらず、誰もが理想の髪質を実感できるための技術についても研究知見を積み重ねていきます。」とコメントしている。