マイクロソフトは7月29日、予告どおり、Windows 10の無償アップグレードの提供を開始した。その一方で、ネットバンキングを展開している金融機関の一部は、動作確認がとれていないとして、Windows 10による利用を控えるよう呼びかけている。
まず、メガバンクと呼ばれる金融機関の対応状況から見てみたい。みずほ銀行は法人の顧客に対し、「稼働確認が完了するまで『Windows 10』の無償アップグレード等はお控えください」としている。
三菱東京UFJ銀行は、個人と法人の双方に対し、Windows 10では利用できないとしている。個人に対しては、PC版インターネットバンキングはInternet Explorer 11.x を利用するよう呼びかけており、Windows 10のブラウザ「Microsoft Edge」の動作確認がとれたら、案内するという。法人に対しては、「BizSTATION/BizSTATION Light」ではWindows 10は利用できないうえ、無償アップグレードも控えるよう呼びかけている。
りそな銀行は、法人向けサービス「りそなビジネスダイレクト」について、Windows10の動作確認を行っているが、Windows10で電子証明書の取得・更新ができない事象が発生しているため、作業は9月中旬に完了する予定とアナウンスしている。なお、Windows10ではInternet ExplorerとFirefoxのみを動作確認対象とする予定だという。
次に、インターネット専業銀行のジャパンネット銀行は「Windows 10は推奨環境ではない。推奨環境外で操作した場合、一部の機能が使えない可能性がある」としている。ソニー銀行は、Windows 10(Microsoft EdgeおよびInternet Explorer 11との組み合わせ)によるサービスサイトの動作確認を行う予定だが、動作確認が済んでおらず、一部の取引や画面表示で正常に利用になれない場合があると呼びかけている。
なお、住信SBIネット銀行は「Windows 10」プレビュー版における動作確認状況を公開しているが、正しく動作しない機能もあるため、Internet Explorer 11を利用するか、Windows10への無償アップグレードを控えてほしいとしている。