ルネサス エレクトロニクスは7月23日、1~3セルに対応したリチウムイオン電池管理IC「RAJ240500」を開発したと発表した。

同製品は、電池残量計測機能と充電機能を1チップ化しており、電池残量に合わせたきめ細かい充電制御が可能なため、1回の使用時間を延ばすことができるほか、電池の充放電特性を活かした充電制御により、電池の劣化速度を抑制し長寿命化を実現するという。また、充電異常状態になった際に瞬時に電池を保護することが可能なほか、大電流によるアダプタの損傷や発火を事前に抑制し、高い安全性を確保することができるとする。

さらに、電池管理機能を1チップ化しつつ、タブレットPCやノートPC向けの高効率電源アーキテクチャであるNVDC(Narrow VDC)に対応することで、従来システムに比べて部品点数を約20%削減することが可能なほか、充電用ファームウェアや設定値の格納用にフラッシュメモリを搭載しており、システム仕様の変更や電池制御パラメータの変更に柔軟に対応することが可能となっている。

このほか、電池残量や特性に応じた高度なシステム制御技術(Dynamic Battery Power Technology:DBPT)に対応しているため、電池残量に応じた上限までセットの性能を向上させることができるとしている。

なお、同製品は即日サンプル出荷を開始しており、サンプル価格は1000円(税別)。2015年10月から量産を開始、2016年10月には月産1000万個の出荷を計画しているという。

1~3セルに対応したリチウムイオン電池管理IC「RAJ240500」のパッケージイメージ