経済産業省は16日、2030年度の原子力発電の電源構成比率を20~22%とすることなどを盛り込んだ長期エネルギー需給見通しを発表した。
2030年度の一次エネルギー供給構造は、石油換算で4億8.900万キロリットルとされた。内訳は石油30%、石炭25%、天然ガス18%、水力を含む再生エネルギーが13~14%、原子力10~11%となっている。
2030年度のエネルギー需要については、「技術的にも可能で現実的な省エネルギー対策として考えられ得る限りのものをそれぞれ積み上げ、最終エネルギー消費で5,030万キロリットル程度の省エネルギーを実施」し、3億2,600万キロリットル(石油換算)と見込んだ。
エネルギー需要の中で電力は28%を占めるとされ、構成は原子力20~22%、再生エネルギー22~24%、液化天然ガス(LNG)27%、石炭26%、石油3%となっている。再生エネルギーは、地熱1.0~1.1%、風力1.7%、バイオマス3.7~4.6%、太陽光7.0%、水力8.8~9.2%の内訳となっている。
電源構成の原子力20~22%については、安全面からの批判に加え、実現を危ぶむ声も新聞紙面などに見られるが、「自然条件によらず安定的な運用が可能な地熱、水力、バイオマスを積極的に拡大し、それによりベースロード電源を確保しつつ、原発依存度の低減を図る」としている。
今回の見通し策定に当たって新たに取り入れた視点として、ディマンドリスポンスを挙げている。ディマンドリスポンスとは、エネルギーの供給状況に応じて消費パターンを変化させる取り組みを指す。ディマンドリスポンスの進展が、新たなエネルギービジネスの展開につながる可能性を指摘している。
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