トヨタ自動車は7月16日、障害者や高齢者などの家庭内での自立生活をアシストする生活支援ロボット(HSR)の早期実用化を目指し、複数の研究機関などと連携して技術開発を推進する仕組みとして「HSR開発コミュニティ」を発足すると発表した。

同社が開発しているHSRは、小回りの利く円筒型の小型・軽量ボディに格納できるアームを備えることにより、「床の上の物を拾う」「棚から物を取ってくる」などの仕事ができるロボット。

2012年の発表以降、改良が重ねられており、今回、研究用として貸与を開始する新型HSRは、機能性、安全性、研究開発や実証実験における運用性などが向上しているという。新型HSRの仕様は、本体高さが1005~1350mm、重量約37kgなど。

トヨタ自動車が開発した生活支援ロボット「HSR」

「HSR」の利用イメージ

同コミュニティの加盟機関は、同社が貸与するHSRを用いて障害者や高齢者の生活支援を想定したロボットの機能向上のための技術開発を推進する。研究開発の成果はコミュニティで共有され、加盟機関が利用できるようにすることで、技術開発の加速を図っていく。

トヨタは、研究開発の成果を検証する実証実験の協力先を紹介するなど、加盟機関による実証実験の推進も支援していく予定。

同コミュニティはこれまでHSRの共同研究を実施してきた研究機関の数機関と共に、9月をめどに活動開始を予定している。さらに、10機関程度を公募し、2016年4月以降に規模を拡大する計画。