IIJは7月15日、新サービスに関する記者説明会を開催した。同社は14日に次世代クラウドサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」を、15日に新型ネットワークサービス「IIJ Omnibusサービス」を発表、両サービスの詳細について説明が行われた。
初めに、代表取締役社長の勝 栄二郎氏が「2020年までに企業のIT投資の3割がクラウドに振り向けられるようになり、大きな影響を与えることになる。GIOインフラストラクチャーP2はプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方のメリットを享受することを可能にするサービスであり、Omnibusは迅速かつセキュアにクラウドに接続することを可能にするサービス。これらのサービスを利用することで、クラウドを活用してより規模の大きなシステムを構築できるようになる」と、企業のすべてのシステムがクラウドサービスに移行するためのサービスを提供していく姿勢をアピールした。
「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(以下、IIJ GIO P2)は、「IIJ GIOサービス」で提供しているIaaSのサービスである、オンラインで手軽に導入できるパブリッククラウド「IIJ GIOホスティングパッケージサービス」と、多様なITリソースを組み合わせてシステムを構成できるオーダーメード型の「IIJ GIOコンポーネントサービス」の後継となる。
同サービスは、仮想サーバを中心とした共有リソースを提供する「パブリックリソース」、VMware仮想化環境と物理サーバを専有リソースとして提供する「プライベートリソース」、パブリックリソースとプライベートリソースの両方のサーバで利用できる「ストレージリソース」から構成される。
常務執行役員 プロダクト本部長 石田潔氏は、IIJ GIO P2の主要な技術要素として「クラウドオーケストレータ」と「SDNエンジン」を紹介した。クラウドオーケストレータは自社開発したものを拡張しており、SDNエンジンはStratosphere SSPを利用してL2オーバーレイネットワークを構成している。同社のオーバーレイネットワークは、従来型VLANに比べて、L2の収容の効率が向上しているという。
一方、IIJ OmnibusはSDNとNFVの技術を活用したクラウド型の新しいネットワークサービス。独自開発したNPS(Network Processing System)をゲートウェイとして、インターネット、セキュリティ、WANなど、顧客のネットワークに必要な機能をサービスモジュールとして提供する。
顧客が拠点に設置する機器はIIJから無償で提供されるサービスアダプタ「「SA-W1」1台のみで、サービスアダプタを接続するだけで、センター側との自動接続、自動管理機能により容易にWANを構築できる。
IIJ Omnibusの主要な技術要素としては、「SDNオーケストラ」「NPS」「NFV」が紹介された。同社独自のSDNオーケストレーターによって、顧客にさまざまな機能を提供するNPSがクラウド上に自動生成される。
IIJ Omnibusは9月15日から提供される予定で、同日時点で「NPS」「インターネットアクセスモジュール」「クラウドエクスチェンジモジュール」「WANモジュール」「VPNモジュール」「リモートアクセスモジュール」が提供が予定されている。