ヴォーカーズは7月15日、調査レポート第17弾として、「やる気と残業の切れない関係」を発表した。同調査は、就職・転職のための社員によるクチコミサイト「Vorkers」に投稿された社員クチコミのデータから、「社員の士気」と「月間平均残業時間」に着目し、その関係性を調査したもの。
Vorkersに寄せられたクチコミデータをもとに、各企業の「月間平均残業時間」を5時間ごとにグルーピングし、そのグループ内の「社員の士気」(5段階評価)の平均値をグラフにした。結果、「士気の高さ」と「残業時間の長さ」に相関関係があることがわかったという。
具体的には、残業100時間までは「士気の高さ」が緩やかな上昇傾向だが、100時間を境に急上昇している。これにより、同社は「月間100時間以上の残業が求められる環境においては、より高い士気が必要とされる傾向がある」、もしくは「士気が高いがゆえに、残業時間が100時間を超える」といった状況があると分析している。
まず、残業100時間以上で士気が高い「ヒートアップ型企業」の第1位となったのはオープンハウスだ。同社社員の士気が5段階評価中4.5と高く、モチベーションに関するクチコミを見てみると、「評価制度は売上と直結している。かなり公正に結果で評価されている(男性)」といった声が見られるという。
また、同じく不動産業界で第5位のセキスイハイム東北も「1件の契約ごとに給与とボーナスでプラスになるので仕事のモチベーションは高めることができます(男性)」と、自身が達成した成果に対して明確な評価や報酬がある点が長時間残業をいとわない高い士気につながっていることが見受けられるという。
一方、月間平均残業時間が40時間以下で「社員の士気」評価平均が高い企業のクチコミを見ていくと、企業側の制度作りと社内の風土がワークライフバランスのメリハリにつながっていることが明らかになったという。
例えば、ランキング第1位の三井不動産の女性社員からは「有給も取りやすく長期休暇もきちんと取れます。リフレッシュ休暇なども勤続年数ごとにあります。家族旅行など毎年恒例にいく事も可能のようです」といったクチコミが、第9位のオリエンタルランドの女性社員からは「私用で残業できない・終電に間に合わないなどの事情があるキャストは、すんなりと帰らせてもらえる。事情があって残業できない人間が、肩身の狭い思いをしない空気があった」といったクチコミが上がっている。