日本ネクサウェブは7月15日、既存サイトをマルチプラットフォーム、マルチブラウザ、マルチスクリーンサイズに自動で変換するソリューション「XGEN(クロスジェン)シリーズ」の販売を開始した。
「XGEN」は、企業の既存システムの近代化(モダナイゼーション)を支援する製品群の総称で、Cross Generation(新旧融合)、Next Generation(次世代)、UX Generator(UX 自動生成)の3つの意味があるという。
「XGENシリーズ」には、「XGEN-WEB」、「XGEN-VB」、「XGEN-SAP」の3つの製品がある。
GEN-WEBは、既存Webアプリケーションのソースコードには手を入れず、モバイル対応やポータル化を実現するソリューション。通常、人が行うハンドオペレーションをスクリプト化してバックグラウンドで実行させ、Webページ上から必要なデータを「収集」「分析」「抽出」し、新しく作成したUIに配信する。利用形態はオンプレミスとクラウドがある。
活用シーンとしては、既存のシステムのポータル化、既存システムのモバイル対応などを想定している
新たに生成するソースは、同社の提供するnexacro platformで動作するさせることが前提で、対応OSはiOS、Android、Windows。GEN-WEBの契約を継続することで、将来のOSのバージョンアップにも対応する。
クラウド型のインフラ基盤にはIDC フロンティアのIDCFクラウドを採用している。年間利用料は149万円。初年度は初期費用として80万円が別途必要(いずれも税別)。この価格にIDCFクラウドに利用料のほか、統合開発環境(nexacro studio、X-POP Developper)の年間使用料(3ライセンス分)も含まれる。
日本ネクサウェブ 第一事業統括本部 営業本部 本部長 森英樹氏は、「XGENは、オープン系レガシーといわれる 1990年代のC/Sシステムをターゲットにビジネスを展開し、単一のOS/デバイス/ブラウザに対応のシステムを、マルチOS/マルチデバイス/マルチブラウザに対応させる。OSの新バージョンが出るたびにアップデートしていくので、将来にわたって考慮しなくていい。 既存のアプリを新たなデバイスのUIに対応させる場合、UIとビジネスロジックの連携は手を入れる必要があるが、その部分がブラックボックス化して手をつけられない場合がある。そいった場合に使えるのがXGENだ。今後はさまざまな言語に対応していく予定だ」と語った。
XGEN-VBは、VB6.0のソースコードをnexacro platformで動作するクロスプラットフォーム・アプリケーションコード(HTML5準拠)に自動変換する「レガシーマイグレーション・ソリューション」。自動変換ツールであるXGEN-VB Converter を使用し、nexacro アプリケーションソースであるJavaScriptに変換する。
変換後のコードはnexacro studioを使い自由にカスタマイズすることができる。価格は個別見積もり。
XGEN-SAPは、SAP ERPの資産を、コーディングレスでモバイル対応やUX 化を実現する「自動生成ソリューション」。業務画面のテンプレート、UIとレポートの自動生成ツール、カスタム開発環境の3つで構成される。ライセンス価格は65万円(税別)から。
日本ネクサウェブ 最高執行責任者 永井一美氏は、「これまで弊社は、情報システムのプレゼンテーション層に特化し、これまで10500サイトにソリューションを提供してきた。レガシーシステムには流動性に問題がある。ITはスピードをもっているが、流動性をもたないであれば、本末転倒だ。重要なのはアプリだ。企業がアプリに流動性を持たせたいと思ったとき、コストをおさえ、流用できるものはできれば流用したいというのが本音だ。今回の製品はこれに対応する製品だ。HTM5Lに対応し、対応していないブラウザに対しては裏でエンジンを動かし動作させる。これによって企業の環境変換を吸収し、企業のライフサイクル支援する」と述べた。