超高速開発ツール「OutSystems Platform」の国内総代理店業務を行うBlueMemeは7月14日、報道陣に向けて事業戦略説明会を開催した。
OutSystems Platformの提供元であるアウトシステムズは現在、世界25カ国で500社以上の顧客を持っているという。アウトシステムズ ポルトガル本社より来日したCEOのパウロ・ロサド氏は、「今日ではさまざまなツールがあるが、そのほとんどがアプリケーション開発の一部をサポートするもの。システム開発の変革をサポートするためには、ソフトウェアのフルのライフサイクルを考慮しなけれなばらない」とし、ソフトウェア開発・運用・保守といったライフサイクルをまとめてサポートするOutSystems Platformの特徴を強調した。
BlueMeme 代表取締役 松岡真功氏は、IT技術者不足とソフトウェア内製化の流れが加速してきているといった国内IT産業サービスの現状について説明。さらに、日本ではスクラッチ開発で業務システムを構築するケースが多いが、スクラッチ開発といっても、フレームワークやライブラリ、簡易的な自動化ツールを組み合わせて開発する「パッチワークアーキテクチャ」が主流となっており、システムの管理が複雑化してきていることについても指摘した。これに加え、アジャイル開発を大規模なシステム開発に適用させたエンタープライズアジャイルという手法が注目されているが、開発者の作業スピードや能力に依存するアジャイル開発を大規模なシステムで採用するのは難しいという課題もある。
OutSystems Platformの特徴のひとつとして、独自で定義したグラフィカルな言語による「ビジュアルモデリング」という手法を用いてドラッグ&ドロップでプログラムを設計できることが挙げられる。同ツールでは最終的にC#やJavaのソースコードが生成されるが、開発者はソースコードを見ることも触ることもできないようになっており、C#やJavaの知識を身に付けることなく業務アプリケーションを開発できるため、短期間で技術者を育成することが可能だ。
またOutSystems Platformは、サーバサイド型のモデル駆動開発基盤を採用しており、ソースコードの生成から、データベースの設計、アプリケーションサーバのコンフィグレーションまでをサーバ側で行う。業務アプリケーションの設計情報であるモデルデータはアーキテクチャに依存しておらず、たとえばJava/Oracle Databaseで構成されたシステムを.NET/SQL Serverのシステムへ改修するといったことも可能で、バージョンアップやアーキテクチャの変更に伴うシステムの移行が、従来のスクラッチ開発と比べて容易となる。
「OutSystems Platformでは、開発者のスキルに依存しないエンタープライズアジャイルを実現することが可能。トレーニングを積んだ技術者であれば、誰でも業務アプリケーションの開発ができるようになる」(松岡氏)
同社によるとすでに10億円規模のプロジェクトでOutSystems Platformの導入が検討されており、2015年内に累計50社への有償版の導入を目標としているという。なお、開発者向けに無償のダウンロード版が提供されており、試用することが可能。有償版はサブスクリプション形式で提供され、価格は年間360万円からとなっている。