Lam Researchは7月13日(米国時間)、同社のALD製品として、高生産性を実現した「VECTOR ALD Oxide」を発表した。

同装置は、最先端のパターン生成工程、特に側壁スペーサを用いたマルチパターニングへの適用を想定して開発されたALDで、高い微細寸法(critical dimensions:CD)制御性により、側壁スペーサの膜厚変動を抑制することを可能にしつつ、高いスループットも実現したとする。

具体的には、14nm以降のパターン生成では、自己整合型ダブルパターニング(self-aligned double patterning:SADP)や自己整合型4倍パターニング(self-aligned quadruple patterning:SAQP)などの自己整合側壁スペーサを用いたマルチパターニングが用いられるが、その実現に要求される数オングストロームの面内膜厚変動を維持しつつ、4ステーションのモジュールが4枚のウェハを同時処理することでスループットの向上も果たしたとする。また、コンパクト設計により、設置面積当たりの生産性は従来方法比で最高で20%向上するとしているほか、ガスとRFの切り替えを高速に行えるよう、ハードウェアは最適化されており、プリカーサ(前駆体)の使用量も削減できるとしている。

なお同社では、高度なマルチパターニングを採用するメーカー各社にてプロセス開発と量産の両方の用途で活用が進んでいるとするほか、シリコン貫通電極(through-silicon vias:TSV)やイメージセンサなどの高アスペクト比のライナなど、他のプロセスへの展開も始まっているとしている。