東京都・銀座のデザインギャラリー1953(松屋銀座7F)は、奈良県内の産業に新しいアイデアや思想を付加し、新たな動きや特産物を生み出す取り組みを紹介する展覧会「奈良 T・E・I・B・A・N 動詞のデザイン」を開催する。会期は7月22日~8月17日。開場時間は10:00~20:00(8月17日は17:00閉場)。入場無料。

薬湯/Yaquo Warms Labo

貝釦/4Nov

同展は、奈良県の18社の企業の製品を中心に「奈良TEIBAN(定番)」を表現する展覧会。奈良県では、県内の地域産業活性化のために行政と民間が7年間の時間をかけながら、県内の産業に新しいアイデアや思想を付加し、新たな動きや特産物を生み出してきたという。人材の育成、販路の獲得、顧客の開拓、商品開発への示唆など、いわば動詞的な行為やデザインの取り組みは、現在から後世へと継承されるものであると語られている。同展では、この取り組みの成果物は「奈良TEIBAN」と称され、手織り麻ふきんや葛菓子、刺繍小物、貝釦、家具などの製品が、奈良県の特産品である吉野杉を使用した会場構成で紹介されるということだ。

ペーパーフォルダー/hachi-wari

宿/紀寺の家

同展の開催に際し、展覧会担当の永井一史は次のように紹介文を寄せている。「奈良県が行政としてこだわってきたのは、ものが結実する前のプロセスのデザインである。仕組みを生みだし、人を育て、それを高度化していくことで本質的で継続性の高いデザインの苗床というべきものを実現させた。そこから生まれた十数点の奈良定番と取り組みの全体像を紹介する。その動詞的とも言うべきデザインは、人と伝統的な資源を結びつけ、新しいものを生み出していく全国での規範となる試みである。」