「デザイン製品」を扱う展示会「第6回 DESIGN TOKYO」(リード エグジビション ジャパン主催)内にて、同展初のアワード「DESIGN TOKYO大賞」の結果が発表されている。会期は7月10日まで。
「日本文具大賞」を決定する「第26回 国際文具・紙製品展(ISOT)」と同時開催されているこの展示会だが、アワードを開催するのは6回目となる今回が初めて。展示会のテーマ「世界から東京へ、東京から世界へ。"売れるデザイン"を発信」にのっとって、出展社の中から"売れるデザイン"のベストプロダクトを表彰する。
審査員は、文具大賞でも審査員を務めるデザインディレクター・川崎和男氏が審査委員長、審査委員として、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレトリアルスタッフであるルーク・ベーカー氏などが名を連ねる。さっそく、初開催となる同アワードで選ばれた製品を見ていきたい。
グランプリは東洋と西洋をミックスしたデザインの照明
グランプリは、kimu design studio(輸入代理店 オフィス・ディースタイル)のペンダントライト「The New Old Light」。ドイツの国際プロダクトデザインアワード「RED DOT DESIGN AWARD」を受賞した製品で、「東洋と西洋のテイストを融合させた」デザインが特徴。光る部分は提灯になっており、広げ方次第で光の表情がさまざまに変化する。
優秀賞は国内外から選出
このほか、優秀賞は4点選出され、国外発の製品と国内発の製品が半々となる結果となった。国外企業からは、スペインのデザイナー・ユゼニ(Eugeni Quitllet)によるLEXONのアラームクロック「Dream Time」、オランダ原産のウールを用いたプロダクトブランドによる湯たんぽ「bouwjaar'63 湯たんぽフェルトカバー+fashyボトル」(輸入代理店 SANSYUCORP.)。いずれもリラックスするシーンで用いるアイテムが選ばれ、丸みを帯びた優しいデザインが共通点といえそうだ。
また、国内企業からは、岐阜県の伝統的な美濃和紙を用いたテーブルウェア「いちりん」(アーテック)、繰り返し利用可能なティッシュ箱「SHIKAKU」(LUCY ALTER DESIGN)の2点が選出された。いずれも、"日本らしさ"を全面に押し出した製品で、国外に訴求しやすいデザインが評価されたといえそうだ。
優秀賞を受賞した「SHIKAKU」の展示担当者は、「古紙再生が一般的に行われている現代において、ティッシュ箱はほぼ再生されていません。それなのに、日本は世界一ティッシュを使う国と言われています」とこのプロダクトの開発背景を語った。また、「SHIKAKUの箱は厚紙製ですが、繰り返し使うことを想定し耐久性を考慮してデザインしています。こうしたコンセプトも含めて評価いただいたのではないでしょうか。今後はSHIKAKUに最適な詰め替え用ティッシュの展開を行っていく予定です」と語った。
"売れるデザイン"というキーワードで、さまざまなプロダクトを評価する試み。今回に引き続き、次回はどのようなデザインが選ばれるのか、注目したい。
注:DESIGN TOKYOおよびISOTは商談を目的とした展示会のため、一般および18歳未満の入場は不可となっている。