東京都・銀座の資生堂ギャラリーは、現代アートの世界において、伝統的な長い歴史をもつ表現形式である絵画の新しい可能性に挑戦している3人の作家の展覧会「絵画を抱きしめて Embracing for Painting」を開催する。会期はPart1が7月31日~8月23日、Part2が8月28日~9月20日(月曜休)。開場時間は11:00~19:00(日曜・祝日は11:00~18:00)。入場無料。
同展は、阿部未奈子、佐藤翠、流麻二果の3人の作家による新作を中心に展示するもの。阿部氏は、自然の風景を撮影したイメージをPCの恣意的な操作を経て変容させ、得られたイメージをもとにマスキングテープとローラーを使って、再び風景を描く作家。また、佐藤氏は、沢山のファッションアイテムが色彩豊かにひしめく世界を流れるような絵筆のストロークのもとに描く。流氏は、人と自然を描く対象とし、独特な線と色彩を使い、絵具を塗り重ねてキャンバス上に抽象的なイメージをつくりだしているということだ。
展示作品は、Part1・Part2に分かれた期間ごとにすべて入れ替えられる。Part1の「絵画との出会い」は、3人の作家の作品を大画面のタブローとして展示。鑑賞者が作家の提示する絵画世界の中へと深く入り込んでいくような構成となっている。Part2の「絵画に包まれて」は、絵画によるインスタレーションが展示される。ひとつのタブローに収まらない絵画作品どうしが空間の中で呼応し合うことで、イメージと色彩の渦の中に包まれるような絵画体験の創出に挑戦しているという。なお、同展のタイトル「絵画を抱きしめて Embracing for Painting」には、ひしめく美術ジャンルの中で困難な創造性にしなやかに挑戦していく作家たちの姿が重ねあわせてられているということだ。
また、関連企画として、作家によるギャラリートークが開催される。開催日時は9月6日14:00~16:00。参加費無料。参加に際しては、資生堂ギャラリーウェブサイトより申込が必要となる。