住友ゴム工業はこのほど、スーパーコンピュータ「京」など最先端設備の活用により、新材料開発技術「ADVANCEDアドバンスド 4Dフォーディ NANOナノ DESIGNデザイン」が2015年中に完成すると発表した。
同技術は、同社が2011年に完成させた開発技術「4D NANO DESIGN」を発展させたもの。「4D NANO DESIGN」技術では独自ミュレーション技術により、ゴム材料の構造や性質を予測し、コントロールすることで高性能タイヤに求められる材料を科学的にナノレベルで高精度に設計することができる。
一方、「ADVANCEDアドバンスド 4Dフォーディ NANOナノ DESIGNデザイン」では、大型放射光施設「SPring-8」でゴムの構造解析を、世界最高クラスの中性子実験ができる「J-PARC」で運動解析を行うことで材料中の原子、分子の動きを把握し、スーパーコンピュータ「京」でゴムモデルをリアルにシミュレーションすることにより、これまでの「4D NANO DESIGN」では対応できなかった大規模なモデルで、原子、分子の動きをよりリアルな現象として把握することが可能となる。これにより、従来技術では見ることが出来ない、ゴム中の分子レベルのミクロな破壊現象からマクロな摩耗現象を可視化することが可能となり、破壊現象の解析を大幅に促進し、それらを抑制する新素材、新配合の開発につながることが期待される。
住友ゴム工業によれば、現在開発は順調に進行しているとのことで、今年10月の東京モーターショーで発表し、2016年以降に実際の商品に採用していく計画だ。