KDDIとアイコム、インフォメーションタスクフォースの3社は7月7日、LTE対応のIPトランシーバー「IP500H」とIP無線機「IP-T10」を9月より法人向けに提供すると発表した。KDDIによるとLTEに対応した両無線機は国内で初めて。

IP-T10

LTE回線を利用したIP無線機であるため、利用者は無線局免許の申請や取得を必要としない。エリアはKDDIが提供する4G LTEサービスと同一で、人口カバー率は99%超となっている。

また、スマートフォンアプリやIPビジネスホンなどの様々な機器・アプリケーション間で通話が可能であることが特徴で、KDDI クラウドプラットフォームサービス(KCPS)上に構築した無線システムを介して相互接続する。

トランシーバーのIP500Hは、防水・防塵対応(IP67)で雨天などのイベント時でも利用できるほか、優先順位の高い情報を割り込んで伝えられる「同時通話」と「多重通話」に対応する。

IP500H

同社によると、無線機市場は運輸業界やタクシー業界、警備業界、イベント事業者などでニーズがあるものの、周波数の利用再編などの影響により従来型のアナログ無線機からIP無線機へのシフトが進んでいるという。ソフトバンクもこうしたニーズを把握しており、4月にIP無線システムの新製品をクラリオンらと共同で発表している。

11月に簡易無線パーソナルが、2016年5月にタクシーのアナログ無線が、2022年11月に簡易アナログ無線が終了するため、さらに移行が加速するとみられる。

IP-T10はインフォメーションタスクフォースが提供、製品価格は10万円、月額の通信費は標準で1800円程度を予定している。一方のIP500Hはアイコムが提供、製品価格、月額の通信費は共に未定だ。