マネーフォワードは7月7日に、クラウド型給与計算ソフト「MFクラウド給与」正式版の提供を開始した。同ソフトはこれまでβ版として提供されてきたが、今後は従業員数に応じた料金プランで提供されることになる。

同ソフトは、2015年3月30日のβ版提供開始以来、機能拡充や改善を重ねてきた。例えば、従来のパッケージソフトやエクセルでは、毎年各種料率改正のタイミングで手動による料率変更を行う必要があったが、同ソフトには料率を自動アップデートする機能が搭載されている。

また、スマートフォンやPCなどから確認できる「Web給与明細」機能も搭載。給与明細を紙で保管する必要がなく、過去の給与を振り返ることができる。

「Web給与明細」機能イメージ

さらに同社では、同社のクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計・確定申告」とクラウド型請求書一括管理ソフト「MFクラウド請求書」のユーザー218名を対象に、給与計算に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。調査期間は2015年6月25日~29日。調査方法はインターネットを利用したアンケート調査となっている。

同アンケートによると、85%の企業が自社内で給与計算を行い、専門家へのアウトソースは9%にとどまる結果となった。

「現在従業員の給与計算はどなたが行っていますか?」という質問に対する回答結果

また、給与計算の方法は半数以上が給与計算ソフトを利用しているが、手計算が16%、エクセル計算が21%と、まだまだアナログな方法で計算している企業が多いこともわかった。

「従業員の給与は、現在どのように計算していますか?」という質問に対する回答結果

「これまで給与や賞与の支給額に誤りがあったことはありますか?」という質問に対しては、45%が「はい」と回答。間違いの理由としては、1位が「勤怠データが間違っていた」、2位が「社会保険料率の改正を、アップデートしていなかった」、3位が「給与計算のやり方をよく理解していなかった」となっている。同社によると、中小企業など経理担当がいないような環境では、給与計算の方法をよく理解せずに業務を行っているケースが少なくないという。

約半数が「給与や賞与の支給額を間違えたことがある」結果に

また、給与計算にまつわる失敗談では、さまざまなケースが挙げられている。振込に関しては、振込日・金額の間違いや、入金先の間違い、賞与の振り込み忘れという回答が上がった。計算に関しては、通勤交通費の一括支給月を忘れてしまったり、住民税の金額間違い、社会保険料の計算ミスなどが挙げられている。

同社は、今年中に「MFクラウド給与」の各種機能を追加する予定としている。夏には、「MFクラウド会計・確定申告」との連携、ファームバンキングデータの登録機能が、秋には転居届や扶養の異動届などのオンライン申請機能、マイナンバー対応が、秋から冬にかけては年末調整機能が、リリース予定となっている。

同ソフトの料金は、1名のみの利用の場合は無料、2~100名の場合は1確定処理ごとに2,500円~(6名以降は、50名まで一人あたりプラス300円、51名~100名の場合は一人あたりプラス250円)、101名以上の場合は要相談となっている(金額はすべて税抜き価格)。100名までは初期費用は無料。