流通システム開発センター、日本IBM、凸版印刷、慶應義塾大学SFC研究所、大和コンピューターは7月6日、日本酒輸出の流通経路を可視化し、偽造品対策、品質管理、現地消費者との情報共有の拡充などを目的とした実証実験を7月10日まで行うと発表した。

実証実験では、石川県白山市の車多酒造(銘柄:天狗舞)と富山県富山市の桝田酒造店(銘柄:満寿泉)の日本酒を日本からタイとバンコクに輸出し、各流通拠点におけるデータをクラウドシステムに収集する。

具体的には、キャップに新たに開発したRFIDタグを付けた日本酒を酒造メーカーからバンコクに向けて出荷。各流通拠点で収集した温度データや位置情報データなどのトレーサビリティ情報を集め、PC/携帯端末/スマートフォンなどから閲覧できるようにする。RFIDタグには、破損した際の破損記録を保持できる機能を付与しているため、流通過程での不正な開栓を記録でき、品質の保証を確保できるという。

トレーサビリティ・システムは、IBMのクラウド・サービス「SoftLayer」上で構築しているほか、GS1(Global Standard One)国際標準であるEPCやEPCISを活用し、モノを個体識別し、その場所と状況を共通のフォーマットでクラウド上に保存することで、さまざまなアプリケーションからのデータ利活用が可能になっている。

凸版印刷は、酒瓶の金属製キャップ部に貼り付けても通信可能で、システムでキャップの開封/未開封をセンシングできる機能を備えたEPC Class 1 Gen 2に準拠したRFIDタグラベルの開発・製造を担当。

慶應義塾大学SFC研究所については、IoT(Internet of Things)に関する研究組織「Auto-IDラボ」が同プロジェクトにおけるEPCISの開発、酒造メーカーにおける出荷支援システムの研究開発を担当している。

大和コンピューターは、本プロジェクトのトレーサビリティ・システムの構築を担当する。