Facebookは7月1日、動画広告のブランドリフト効果に関する調査の結果を発表した。

ディスプレイ広告キャンペーンについては、動画を含めたほうがパフォーマンスが良くなることが調査結果に現れているが、動画広告を単独で用いた場合はどのような成果が得られるのかに関して、Facebookはニールセンへの委託調査を行った。

ニールセンでは、動画がブランドにもたらす価値を明らかにするために、Facebookビデオ広告を利用していたキャンペーン173件の結果を分析。各調査では、テストグループと対照グループを対象に、「広告想起」「ブランド認知」「購買意向」の3つの広告キャンペーン指標を基準に動画の影響が測定された。

具体的には、まずテストグループの動画視聴者を視聴時間別に分類。次に、分類したテストグループに対し、視聴時間に基づく傾向スコアで対照グループを割り当て、広告想起、ブランド認知、購買意向に関するアンケート回答を比較することで推定リフトを算出した。

この調査の結果、動画広告は人の目に触れさえすれば、それがわずか1秒足らずの間で、「動画」として再生していない場合でも「静止画」として見てさえいれば、広告想起、ブランド認知、購買意向を向上させることが判明した。また、リフト効果は視聴時間に比例して向上することが確認できた。

動画広告の視聴時間によるブランドリフト効果

Facebookのマーケティングサイエンスチームが、ニールセンの調査結果と、視聴時間別の視聴人数を組み合わせ、視聴時間別のキャンペーン価値を推定したところ、視聴時間が3秒未満の人たちだけでもキャンペーン総価値の最大47%、視聴時間10秒未満の人たちまで含めた場合は、全体の74%を占めた。

これらをふまえ、同社では、視聴時間が長くなるほどリフト効果は高まるが、10秒未満の視聴であってもブランド認知や購買意向の向上が認められ、十分な広告効果が得られるとしている。

視聴時間別のキャンペーン価値の推定