日本オラクルは6月30日、記者説明会を開催し、代表執行役社長兼CEOの杉原博茂氏が2016年度の事業戦略について語った。
同氏は、2015年4月に同社の社長に就任した際に、「2020年までにクラウドでNo.1カンパニーになること」というビジョンを発表したが、今年は"2年目"とし、クラウド事業をさらに拡大していく。
2016年度は、「POCO(The Power of Cloud by Oracle)」をキーワードに、市場への浸透を図る。同氏は「POCO」について、「これまで当社は何十年もミッション・クリティカルなシステムの提供に取り組んできたが、これからは、"POCO"を掲げて、われわれが目指すクラウドを具現化し、ユーザーに歩み寄った形でITを提供していく」と説明した。
POCOでは、「SaaS/PaaS/IaaS事業の拡大」「システム事業の拡大」「エンタープライズ営業の拡大」「地域ビジネス成長に向けた支社体制の再編と拡充」を重点施策とする。
「SaaS/PaaS/IaaS事業の拡大」の具体策としては、「Oracle Marketing Cloud」、「Oracle HCM Cloud」、「Oracle ERP Cloud」と「Oracle EPM Cloud」、「Oracle Service Cloud」、「Oracle Sales Cloud」の各サービスに特化した組織を発足した。
また、「これまで同社の売上は東京圏が高かったが、地方に食い込めていなかった」と杉原氏。クラウドを核とするPOCOは地域格差は関係ないため、今後は積極的に、地域ビジネスに取り組んでいくという。具体的には、中部支社を「北陸支社」と「東海支社」に、また、西日本支社を「関西支社」と「中国・四国支社」に再編し、7つの地域に分割し、サポートを行っていく。
さらに、「POCO(The Power Of Cloud by Oracle)」を具現化するため、業務部門のユーザーにも直観的でわかりやすく、簡単かつ迅速に導入でき、効果的に活用できるような事前設定済みのクラウドを各注力製品の簡易パッケージとして用意する。
これにより、ITエンジニアやIT組織を抱えていない年商100億円以上の中堅規模企業や大手企業の部門単位にまで「Oracle Cloud」の営業範囲を拡大していく。