南極、アマゾン川流域、活火山など、容易に踏み込めない場所を記録し、誰でも探検できるようにしてきたGoogleのストリートビューチームが、今度はヨセミテ渓谷にそそり立つ高さ約1000mの巨岩エルキャピタン(El Capitan)に挑戦し、初の垂直ストリートビューとして公開した

一枚岩が垂直に切り立つエルキャピタンは、ロッククライミングの名所として世界的に知られる。最近では今年1月に難関ルートであるDawn WallをTommy Caldwell氏とKevin Jorgeson氏がオールフリーで登り切ったのが話題になったばかりだ。

チームはまず、カメラを安全に運び、岩壁に固定して撮影する方法の試行錯誤を重ね、機材を2セット用意して撮影を開始した

そのDawn Wallプロジェクトを成功させたCaldwell氏がエルキャピタンの垂直ストリートビュープロジェクトに参加。さらに世界的に有名なクライマーであるLynn Hill氏とAlex Honnold氏に協力を求めた。Hill氏は1993年に世界で初めてフリークライミングでThe Noseルートを攻略、Honnold氏は通常3-5日はかかるThe Noseルートを2時間23分で登り切った最速記録を持っている。

難関ルートDawn Wallを登るTommy Caldwell氏

完成したエルキャピタンの垂直ストリートビューは、登攀ルートを上下に移動しながら、視点を360度切り替えられる。クライマーと同じ視点で岩盤を間近で見られ、振り向くとヨセミテ渓谷の絶景が広がる。2台のカメラで撮影しているので、登攀するクライマーの様子も収められている。もちろん登り切ったら、頂上からの素晴らしい景色を楽しめる。

ロッククライマーの視点で登ってきたルートを上から見下ろすことも可能