日本HPは6月18日、「HP 3PAR StoreServ ストレージ」の最上位モデルとなる「HP 3PAR StoreServ 20000 ストレージ(以下、StoreServ 20000)」シリーズを発表した。StoreServ 20000シリーズは、StoreServ 10000シリーズの後継モデルとなる。
StoreServ 20000シリーズには、HDDとSSDを組み合わせた「HP 3PAR StoreServ 20800 コンバージドフラッシュストレージ」(44,427,000円~)とオールフラッシュ(SSD)のHP 3PAR StoreServ 20850 オールフラッシュストレージ(62,797,000円~)がある(価格はすべて税別)。
StoreServ 20800は、最大1,024のSSDと1,920のHDDを搭載可能で、最大物理容量は6PB。一方のStoreServ 20850は、最大1,024のSSDを搭載可能で、最大物理容量は3.9PB。
新モデルは新たに第5世代の「HP 3PAR Gen5 Thin Express ASIC」が搭載され、コントーラの負荷を軽減し、ミリ秒未満の単位のレイテンシで、ハードウェアアクセラレーションによるインライン重複排除を実現する。また、ASIC上で動作する「HP 3PAR Persistent Checksum」により、データが「HP ProLiant サーバー」からファブリック接続で「HP 3PAR StoreServストレージアレイ」に移動する際に、フラッシュメディアおよび転送エラーを防ぐ。
新製品は新たに、3.84TB cMLC SSDを採用。2Uの1ドライブエンクロージャでは280TB、1ラックで5.5PBの論理容量を実現する。この新しいドライブの採用と、重複排除やゼロ検知による書き込み抑制、シンプロビジョニング等を組あわせることで、論理容量単価を従来の2ドル/GBから、1.5ドル/GBと25%削減したという(HPラボでの検証)。
また、書き込み回数制限のあるSSDに対する不安を解消するため、今回新たに5年のパーツ保証を開始する。これにより、書き込み制限まで残り5%を切ると、無償でSSDを交換できる。
日本HP エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 カテゴリーマネージャ 加藤茂樹氏は、「SSDの寿命と価格の問題は取り除かれつつある。これまでは、SSDとHDDを組み合わせ階層化してきたが、今後はすべての業務でSSDを使うようになり、シリコンデータセンターが早い段階で実現される」と指摘。
また、1.5ドル/GBという単価について同氏は、「この価格はHPの技術をあわせることで実現した。他社がeMLCのSSDを採用するだけではこの価格は実現できない」と自信を見せた。
そのほか、新製品では、非同期のストリーミングコピー「HP 3PAR Remote Copy」をサポート。「HP 3PAR Remote Copy」 は「HP StoreOnce Recovery Manager Central(RMC) ソフトウェア」と統合され、「HP StoreOnce RMC」は「HP 3PAR」アレイ間でのアプリケーション管理のスナップショットのレプリケーションをサポートできるようになった。
日本HP エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 事業統括本部長 福岡英治氏は、「新製品は、3PARの中核製品のなかの新世代ハイエンドストレージで、6月上旬にラスベガスで開催されたイベント「HP Discover 2015 」で発表されたものだ。IT部門はコストセンターとして捉えられ、さらなるコスト削減を求められている。そのため、これまではあまりストレージにスピードが求められてこなかったが、今後は、高い俊敏性やビジネス成果が得られるストレージが求められてくる」と述べだ。
同氏によれば、新製品ではTCO削減、高密度・高性能拡張、高信頼性、ビジネス俊敏性に注力したという。