2007年にeBookソリューション「Wisebook」を発表し、現在では1,000社以上の導入企業を抱えるコベック。同社がこのツールをベースとした新たなソリューションを開発した。企業内ドキュメント配信サービスの「Wisebook Bizpod」である。
「Wisebook Bizpod」とは、社内の各種文書を簡単な操作でリッチコンテンツ化し、セキュアに配信できるクラウドサービスです。 社内のマニュアルや技術資料、営業・販促ツール、カタログ、会議資料など、さまざまな文書をドラッグ&ドロップするだけで、クラウド環境から自動生成し、セキュアな環境で共有できるクラウドベースのサービスだ。 「クラウド上で簡単な操作で生成されたコンテンツは、二次利用できないようにした上で、iPhoneやiPadにて共有します。コンテンツを管理する仕組みは安全性を重視しており、企業内の文書共有に適しています」と、コベック テクニカルディレクターの佐藤裕太氏は説明する。
セキュリティを高めるさまざまな仕組み
Wisebook Bizpodは、これまでのWisebookシリーズと同様、PDF、JPEG、PPT、DOCなどの社内文書やプレゼン資料でよく使われるファイルをドラッグ&ドロップするだけで、クラウド上にてリッチコンテンツが自動生成できる仕組みになっている。 生成したコンテンツにMPEG3やMPEG4などのファイルを設置してリッチコンテンツ化することも可能。
簡単な操作で高レベルなセキュリティを実現
企業内の文書を共有する目的で開発されたWisebook Bizpodは、セキュリティを高めるため、IPアドレス制限やネットワーク制限、デバイス認証、アカウントロックなど、さまざまなアクセス制御が行えるほか、文書ごとにアクセス権を設定できるのが特徴だ。
「万一紛失したパソコンなどを第三者が入手した場合でも、遠隔ロックでデータ漏洩を防ぐことが可能です。
また、管理者がコンテンツの制作や配信システムにアクセスする際のIPアドレスを制限し、規定のアドレス以外からはアクセスできないような設定が可能となっています。登録されていないIPアドレスの場合、自宅からもシステムにログインできないため、不正アクセスを防ぐことができるのです。
さらに、ユーザーがコンテンツを閲覧する際も、ネットワーク利用制限機能を使うことで、アプリにアクセスするネットワークが制限できます。この機能を使うと、指定されたネットワークからでないとアプリに接続できません。また、端末を登録し、管理者が許可した端末でないとアクセスできないようにすることも可能です。これによって、私物の端末やIDとパスワードの情報漏洩した場合でも、ログインできないような仕組みになっているのです」(佐藤氏)
このように、管理システムやアプリにアクセスする際、さまざまな制限をかけてセキュリティを高めているほか、一定の回数ログインに失敗するとアカウントをロックアウトする設定にしたりすることも可能だ。システムの運用には国際認証を取得している国内データセンターを利用。コンテンツのアップロードにはSSL通信プロトコルによるセキュアな通信を利用しているほか、侵入検知システムなどのセキュリティ対策も万全だ。
営業ツールとしても活用可能
セキュリティ対策以外にも、Wisebook Bizpodには企業内で文書を共有するにあたってさまざまな機能が備わっている。例えば、Wisebook Bizpodを介して共有した文書は、ダウンロードしてオフラインに保存し、顧客先で営業資料として見せることが可能だ。その際、ペンツールを活用してマークをつけたり、顧客が興味を持った部分にスタンプを押したりといったことができる。オフラインでメモした情報は端末内に保存され、いったんコンテンツを閉じても再度開いてメモを参照できるようになっている。
また、アクセス解析機能も充実しており、配信したコンテンツのアクセスログで、各ユーザーがコンテンツをダウンロードしたかどうか確認できるようになっている。「これまで社内で共有すべき情報は、回覧板にして部署ごとに回し、ハンコを押すなどして閲覧状況を確認していました。それがWisebook Bizpodを使えば、一斉に情報が配信できる上、閲覧状況もアクセスログで確認できます」と佐藤氏は話す。
ログが残るのは文書のアクセスログだけではない。資料の操作ログや、アップデートされたコンテンツをちゃんと確認しているかといった情報も確認できる。また、ヒートマップ機能では、資料内で拡大された回数が多い箇所を赤色で表示。これにより、例えば営業担当者が説明時に特に強調して説明した部分がどこなのか把握することも可能だ。
使いやすさと高セキュリティが両立したドキュメント配信サービス
こうしたドキュメント配信システムは、他社からもさまざまな製品やサービスが提供されているが、Wisebook Bizpodが他社と違う点について佐藤氏は、「使いやすさと高セキュリティを両立させていることが特徴です」と語る。「使いやすさとセキュリティは、ともすれば相反する要件になり、両立は難しいです。Wisebook Bizpodは、簡単な操作でアクセス権に則した文書の配信ができます。社員が必要な文書を素早く探し出しオンラインとオフラインを問わず外出先や出張先からでもセキュアにドキュメントを閲覧できる機能を提供しています。」(佐藤氏)
Wisebook Bizpodの価格は、初期費用が5万円(税別)で、月額料金はストレージ容量5GBまで、かつ利用ユーザー数10人までのライトプランが5,000円(税別)となっている。佐藤氏は「ストレージ容量や利用ユーザー数を他社のサービスと比較してもらえれば、Wisebook Bizpodのコストパフォーマンスが高いことがわかってもらえるでしょう」としている。
主要機能
【管理者機能】 【ユーザー機能】 現在は、安全性を考慮し、アプリが利用できる端末をiPhoneおよびiPadに制限しているが、今後状況を見ながら他の端末への対応も検討する予定だという。