NECは6月16日、IoT(Internet of Things)を活用した次世代ものづくりを支えるソリューション「NEC Industrial IoT」を提供開始すると発表した。

「NEC Industrial IoT」は、「現場・現物・現状のデジタル化」、「見えない・隠れた世界を見通す」、「ITとOT(Operational Technology:制御・運用技術)の連携」、「製品・サービスのスマート化」の4つのIoT活用ポイントに対して、NECが強みを有する画像認識、ビッグデータ分析、SDNなどの技術を活用した各種ソリューションを体系化したもの。

「現場・現物・現状のデジタル化」に関するソリューションとしては、「物体指紋認証技術」を活用した「個体認証トレーサビリティシステム」やAR技術を活用し、現実の環境にデジタル情報を付加することで作業性向上や未熟練者の支援を実現する「AR活用作業支援システム」を提供する。

「見えない・隠れた世界を見通す」に関するソリューションとしては、大量データの中から規則性を自動で発見し、製品の品質・性能を高精度に予測することで、品質向上・手直し回避を実現する「品質・性能予測分析システム」や統計的に普段と異なる設備機器の挙動を発見して故障の予兆を捉えることで、設備機器の稼働率向上を実現する「設備故障予兆検知システム」を提供する。

「ITとOTの連携」に関するソリューションとしては、NECのファクトリコンピュータを基盤に、設備機器の通信規格やメーカーの違いを吸収することで、製造管理システムなど業務システムとの連携による設備機器のリアルタイムでの最適制御を実現する。

「製品・サービスのスマート化」に関するソリューションとしては、NECのM2M基盤「CONNEXIVE」を強化し、センサーデータや映像データなど各種非構造データの収集から蓄積、必要な形式に加工したデータの抽出、リアルタイム分析、分析に基づく制御までの一連の処理を実現するIoT基盤を提供する。

今後、NECグループは生産拠点においてIoT活用を実証し、グローバルでのQCD競争力や変動対応力、新たな顧客価値創出を強化するほか、実証で得た知見を「NEC Industrial IoT」の各ソリューションに反映させる。

7月1日付けで、「NEC Industrial IoT」の推進組織を30名体制で新設し、同組織が中心となり、「Industrial IoT分科会」でのIoT活用に向けた研究・実証実験や、「NEC Industrial IoT」のソリューション強化・拡充、パートナー企業・団体との協業などを推進していく。