JSRは6月16日、同社のグループ会社であるJSRライフサイエンスが、新たに開発したトリートメント緩衝液を用いる事で、ヒト由来の血清・血漿からエクソソームを単離するのに最適化を施した研究試薬キット「ExoCap(エクソキャップ)」の販売を開始したと発表した。

エクソソームは体内の細胞から分泌されて血液や尿中に存在する細胞外小胞で、由来する細胞の核酸やタンパク質などを含んでおり、それらは細胞の状態などにより異なるため、そこから各種の疾患に関係するバイオマーカーを発見・検出できるのではないかと期待されている。

同キットは、体外診断システムの多検体処理や自動化に用いられてきた独自の磁性粒子「Magnosphere」を用いた分離担体「ExoCap Capture Beads」と、エクソソームを捕捉・洗浄・溶出する各ステップで用いる緩衝液とを組み合わせたもの。従来、血清・血漿は多くの夾雑タンパク質を含んでいるため、エクソソームの単離は困難であったが、新開発のトリートメント緩衝液を用いる事でエクソソームの単離性能を改善することに成功したという。また、細胞培養上清にも適用可能だとしている。

なおJSRグループでは、JSRライフサイエンスを中核としたグローバルなサポート体制を構築しているほか、資本提携している医学生物学研究所と協力する形で、事業展開を進めていく計画としている。