情報処理推進機構(IPA)は6月12日、「家庭内における無線LANのセキュリティ設定の確認を」と題する注意喚起情報を公開した。

IPAでは、一般家庭の無線LAN環境が不正に利用される恐れがあるとして、その危険性や対策について過去にも注意喚起を行ってきた。

不正利用を防ぐ対策の一つとして通信の暗号化があるが、IPAが2014年10月に実施した意識調査では、自宅の無線LANの暗号化について「通信の暗号化を行っているかどうかわからない(32.7%)」「通信の暗号化を行っていない(19.1%)」と、全体の半数以上が不明または設定なしという状況であることがわかり、類似被害の増加が懸念されている。

自宅無線LAN(Wi-Fi)の暗号化に対する意識調査の結果

家庭内に設置した無線LANルータなどのアクセスポイントへ不正に接続された際の脅威として、「通信内容の盗み見」「迷惑メール送信や不正アクセス、違法ダウンロードなどの不正行為の身元詐称」「家庭内の無線LAN環境を利用している端末内のデータ窃取」のようなことが挙げられる。

無線LANアクセスポイントへ不正に接続されていることに気付くのは難しく、知らない間に事件に巻き込まれる可能性も考えられるので、第三者に通信内容を傍受され家庭内の無線LANアクセスポイントに不正接続をされないために、IPAはセキュリティレベルの高い「WPA2-PSK(AES)」を設定することを推奨している。

この注意喚起は、Wi-Fiの暗号化方式が旧来型のWEPキーで運用していた家庭のルーターを"タダ乗り"した人物が立件されたことによるもの。