ExaScalerとPEZY Computingは6月12日、液浸冷却特化型小型スーパーコンピュータ(スパコン)の第2世代システム「ExaScaler-1.4」を、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の計算科学センターに、「Suiren Blue(青睡蓮)」として追加設置する作業を開始したと発表した。

「Suiren Blue(青睡蓮)」は、第1世代の液浸冷却スパコン「ExaScaler-1」を採用した小型システム「Suiren」に併設される形で設置され、設置面積は約4分の1に減少させつつ、Suiren比で約8.4%向上した理論性能を有している。また、今回の設置に併せて、液浸冷却槽内から、最小構成システムである「Brick(ブリック)」を引き上げて保守作業の効率化と安全性の改善を図ることを可能とする新たなつり上げ機構も設置されるほか、冷媒を室外で冷却するための室外冷凍機ならびに熱交換器についても、従来は8台ずつであったものを、1台ずつの高性能型に変更することで、配管部を含めた室外の構成の簡素化、ならびに保守性の向上も図られるという。

なお両社は今後、KEKとの共同研究契約を通して、液浸冷却に特化して開発されたExaScaler-1.4の、既存のExaScaler-1に対するさまざまな優位性と、ExaScalerが提唱する液浸冷却方式自体の有効性の検証を進めて行く計画としている。

 「Suiren(睡蓮)」と「Suiren Blue(青睡蓮)」の比較