デル・ソフトウェアは6月11日、東芝電子エンジニアリングとの協業を通じ、ビッグデータ分析ソリューション「Statistica」の最新バージョンの日本語版を日本市場で本格的に販売開始することを発表した。
「Statistica」は、2014年3月にデルが買収したStatSoftの製品。将来のトレンドを予測し、新規顧客、セールス機会の獲得、業界動向の予測、仮説検証や、不正やビジネスリスク低減を図るための予測分析、機械学習、統計分析などの機能を提供する。
ラインアップとして、エントリレベルの統計解析ソフトウェア「Statistica Base」、ミッドレンジの統計解析ソフトウェア「Statistica Advanced」、「Statistica データマイナー」、「Statisticaデータマイナー + プロセス最適化」、「Statistica Enterprise」が提供されている。
「Statistica Base」は、重回帰分析や分散分析などの統計手法、検定手法を備え、異常値や重複値の削除、フィルタリングやサンプリングなどを実現するデータ管理機能も備えている。
「Statistica Advanced」は、 「Base」の機能に加え、一般線形モデル、ロジステック回帰等の一般化線形モデル、コックス比例ハザード、部分最小二乗法モデル(PLS)などの高度な統計手法が利用可能。
「Base」と「Advanced」は主に学術機関や研究部門での利用が想定されている。
「Statistica データマイナー」は、Advancedの機能に加えてワークフローによる処理の自動化、CART/CHAID、ランダムフォレスト、ブースティングツリー、機械学習等を含む最新のデータマイニング手法が利用できる。 主に企業内のマーケティング部門、エンジニアリング部門、企画部門や研究所での利用を想定している。
「Statistica Enterprise」は、中・大規模企業において技術者、ビジネス分析者、オペレータなど役割の異なるユーザー間でナレッジのシェアを実現する。
ライセンスは、デスクトップ製品を1ユーザーが1ライセンスを利用する利用形態「シングル」、 企業内でデスクトップ製品を規定数までのライセンスの同時利用を可能とする形態「BNET」がある。
デル・ソフトウェア 代表取締役社長の中村共喜氏は、「2013年に設立して以来、SonicWALL やNetVaultなど、セキュリティと情報管理の分野に関する製品を主に提供してきた。今回、『Statistica』が加わることで、情報管理という新たな分野のビジネスを展開できるようになる」と、同社のビジネスにおけるStatisticaの位置づけを説明した。
同社のビッグデータに対するアプローチについては、「われわれは、『データ統合』『データ管理』『データ分析』『インフラストラクチャ』という4つの側面から、ビッグデータに関するソリューションを提供していくことを考えている。今回、Statisticaの国内における本格提供を開始することで、データの統合・管理・分析の3分野の製品が出そろった」と述べた。
さらに、「顧客に意味がある形でビッグデータ関連のソリューションを提供するには、サービスが必要。そこで、製造業のデータ活用に関するさまざまなノウハウを有する東芝エンジニアリングと共同で、Statisticaを提供していくことにした」と、東芝エンジニアリングとの協業の意義をアピールした。
東芝電子エンジニアリングはStatisticaの国内唯一の代理店であり、東芝グループに導入したという実績を持つ。
東芝電子エンジニアリング 代表取締役の藤原淳史氏は、同社として、「解析の自動化」「リアルタイム監視」を提案する際に、Statisticaを中核に据えると説明した。
これまで、東芝エンジニアリングは主に学術機関や研究部門に対しStatisticaの販売を行ってきたが、今後は、サービスを強化する形で、企業に対する販売を展開していくという。