ラリタン・ジャパンは6月9日、2系統の入力電源を自動的に切り替えるインテリジェントなラック・トランスファー・スイッチ「PX3TSシリーズ」を発表した。販売開始は6月22日、価格はオープンプライスで、同社による市場想定価格は20万円から(税別)。
新シリーズは電気機械式リレーとシリコン制御整流子(SCR)を組み合わせたハイブリッド設計が特長で、シリコン制御の静止型切り替えスイッチ(STS)よりも低価格で、標準的な自動切り替えスイッチ(ATS)を上回る性能と信頼性を実現したという。
内蔵センサーが停電や電力変動などの電源供給設備の異常を検知すると、1つの電源系統からもう一方の電源系統に高速切り替えを行うため、ダウンタイムを最小限に抑えてラック搭載機器の継続的な稼働が可能としている。
同シリーズは、4~8ミリ秒というSTS並みの切り替えスピードを低価格で実現したという。リレー接点の間隔を広く設定してリレー障害につながるアーク放電を防止し、電力効率を高め、発熱を低減したとのこと。
また、使用する電力量をインレット単位/アウトレット単位/ブランチ・サーキット・レベルでリアルタイムに計測でき、ネットワーク接続したリモート管理モニタからWebブラウザ経由での管理・制御も可能という。
各種環境センサーなどを接続できるセンサー用ポートやWebカメラなどを接続可能なUSBポートを備え、ラック周辺の環境情報(温度/湿度/気流/差圧/水漏れ)なども監視可能。同社のDCIM(データセンター・インフラ管理)モニタリング・ソフトウェアである「Power IQ」との統合により、データセンターの電力インフラ全体を効果的に管理できるとしている。
新シリーズは、入力電圧(V)・最大供給電流(A)・PDU形状・入力プラグ/出力コンセント形状などが異なる3モデルで構成。スイッチ形状は1Uまたは2U、入力電圧はAC100Vまたは200V、最大供給電流は30Aまたは20A、出力コンセント(アウトレット)数は8~20個。