ピュア・ストレージ・ジャパンは6月9日、同社のオールフラッシュ・ストレージ・アレイ「FlashArray」の第4世代である「FlashArray//m」を発表した。

「FlashArray//m」は、同社が2年をかけて開発した新しいハードウェアで、アップグレード可能なモジュラー型アーキテクチャを採用しており、従来のFlashArray製品と比較してパフォーマンスは50%、密度は2.6倍、1TB当たりの電力効率は2.4倍、それぞれ向上したという。

「FlashArray//m」

同社はこれまで他社からハードウェアを調達し、自社開発のソフトウェアを搭載して製品を提供してきたが、「FlashArray//m」は自社開発のハードウェアだ。

米Pure Storageの創設者でチーフアーキテクトのジョン・ヘイズ氏

米Pure Storageの創設者でチーフアーキテクトのジョン・ヘイズ氏は、自社でハードウェアを開発した理由を「抜本的に効率的なものを作りたかった。また、新しいハードウェアを使えることも考慮した。これにより、効率、パフォーマンス、シンプルさが解決できる」と説明した。

米Pure Storage 製品担当副社長のマット・キックスモーラー氏は、「ピュアストレージはソフトウェアの面では成功を収めてきたが、さらに、コスト、シンプルさを追求するためにハードの上でもイノベーションを起こしたいと思った。今回の製品で初めて、ソフトウェアからハードウェアまで、エンド・ツー・エンドでイノベーションを起こせるベンダーになった」と述べた。

フラッシュモジュールを手にする米Pure Storage 製品担当副社長 マット・キックスモーラー氏

「FlashArray//m」は、「Purity Operating Environment 4.5」を実行する2つの高性能なインテルのHaswellコントローラと、新しいNV-RAMキャッシュモジュール、3つのラックユニット(RU)シャーシ内の新しいデュアルドライブ・フラッシュ・モジュールを統合する。

「FlashArray//m」はモジュラー型

「FlashArray//m」では、さまざまなパフォーマンスと容量のニーズに応えるため、「//m20コントローラ」(最大120TBの有効容量(5~40TBの非圧縮容量)、150,000 32K IOPS(1秒当たりのI/O処理))、「//m50コントローラ」(最大250TBの有効容量(30~88TBの非圧縮容量)、220,000 32K IOPS)、「//m70コントローラ」(最大400TBの有効容量(44~136TBの非圧縮容量)、300,000 32K IOPS)の3つのコントローラオプションを提供する。

3つのコントローラオプション

「FlashArray//m」は新しいハードウェアにより、3Uラックに15~120TBの有効容量をサポートし、消費電力は従来製品の半分以下の1kWに抑えている。パフォーマンスは、1ミリ秒未満の平均レイテンシー(遅延)を実現する。そして、高可用性やスナップショット、レプリケーション、暗号化、管理ソフトウェアなどのソフトウェアは基本料金に含まれている。

「FlashArray//m」の特徴

なお、同社では、毎月一定額を支払うことで、3年ごとに新しいコントローラにアップグレードできる「Forever Flash」プログラムを提供しているが、今回はさらに、2015年2月以降にFlashArray 400シリーズを購入した顧客は、次の容量拡大の際に、「FlashArray//m」シャーシとコントローラを無償でアップグレードできる「Pure Storage Upgrade Assurance Program」が2016年1月31日まで自動的に適用される。

3年ごとに新しいコントローラにアップグレード可能

また同社は同日、クラウド(SaaS)ベースのストレージ管理とサポートのためのプラットフォームである「Pure1」も発表した。「Pure1」は、IT担当者がモバイルデバイスから世界中のストレージを監視できるようにしたプラットフォーム。これまで断片化されていた管理とサポートのプロセスをクラウド上に集約する。

既存のCloudAssistテクノロジーの拡張版である「Pure1」は、Pure1 Cloudを基盤としており、「Manage」、「Support」、「Connect」、「Collaborate」の4つの要素で構成されている。

「Pure1 Manage」では、担当者はWebブラウザで、世界中に分散しているFlashArray製品をどこからでも単一の画面で監視できるほか、ファイアウォールを通じた接続によって管理できる。

「Pure1 Support」は、スキルの高いエンジニアと組み合わせた、プロアクティブなサポートで、導入環境を監視するためにオートメーションを活用することにより、潜在的な問題を事前に検出して警告する。

「Pure1 Connect」には、顧客のクラウド環境のFlashArray製品管理を自動化する権限を与える最新式のREST APIが含まれ、スターター・スクリプトとPowerShellコマンドレットをはじめとする自動化ツールキットで、カスタマイズされたワークフローの開発を促進する。

「Pure1 Collaborate Community Site」は、導入企業、テクノロジー・チャネルパートナー、ピュア・ストレージ社員のつながりを築くためのディスカッション・フォーラムや各種リソースを提供するためのコミュニティだ。

Pure1 Manage、Connect、Collaborateは6月9日から販売を開始し、FlashArray製品の購入ユーザーは、現在有効な保守サポート契約があれば、追加費用なしで提供される。

クラウドベースの管理を実現する「Pure1」

米Pure Storage幹部。左から社長のデイビッド・ハットフィールド氏、 製品担当副社長のマット・キックスモーラー氏、創設者でチーフアーキテクトのジョン・ヘイズ氏