総務省は6月5日、平成26年度に実施した「プログラミング人材育成の在り方に関する調査研究」の結果を取りまとめた報告書を公表した。

同調査によると、プログラミング教室・講座の開催地は関東に集中しており、また、都市の規模でみると、ほとんどが大都市での開催で、中都市・小都市では事例も少なくプログラミング教育の認知度が低いと考えられる。

プログラミング教室・講座の地域別教室数

また、教育関係団体の講師のスキルについては、高度なプログラミングスキルを持つ講師が多いが、半数以上の団体で講師数は2人以下。

定期的に受講する教室・講座の受講者数については1~10人という回答が過半数となり、多くの団体では継続的な受講者数は比較的少数に留まっていることがわかる。

教材に関しては、過半数の教室・講座でオリジナルのテキスト教材を利用しており、市販のテキスト教材を利用しているケースは2割未満に留まる。ただし、Scratchについては、市販の教材書籍が存在し、活用されているようだ。

現在、国内で実施されているプログラミング教室・講座は、プログラミング体験自体を目的としていたり、プログラミングを楽しみ、創造力を養うことを目的としていることが多いが、一方、諸外国におけるプログラミング/コーディング教育においては、「論理的思考力の育成」「コーディング・プログラミングスキルの育成」「問題解決能力の育成」など、主に「21世紀型能力」の育成を目的としている国が多いことが明らかとなった。

プログラミングに関する教育がもたらす効果に関しては、学説や有識者の意見と教育事業者の見解が概ね整合していることが確認できた。また、民間企業が求めるプログラミング人材像としては、「論理的思考力が高い」「自主性・行動力が高い」「独創性が高く、イノベーティブ」などがあげられた。

プログラミングに関する教育の普及啓発に関する課題としては、普及のボトルネックと考えられる認知フェーズ・選定フェーズを重点的に解決する必要があると考えられるという。

各フェーズにおける離脱率のイメージ