東京都・品川の原美術館は、20世紀を代表する絵画と彫刻の巨匠サイ トゥオンブリーの個展「サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡」を開催している。会期は8月30日まで(月曜休館、7月20日は開館)。開館時間は11:00~17:00(祝日を除く水曜は20:00まで)。入館料は一般1,100円、大高生700円、小中生500円(原美術館メンバーおよび、学期中の土曜は小中高生の入館無料)。
同展は、2011年に死去した作家が生前自ら作品の選定に関わり、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、欧米の主要な美術館で開催され評判を呼んだ個展を、同美術館の空間に合わせて再構成したもの。日本の美術館としては初の開催となり、即興性、速度、激情、直感がいきいきとみなぎる紙の作品(ドローイング、モノタイプ)約70点が一堂に会し、1953年から2002年までの50年にわたる画業を回顧する。また、日曜・祝日の14:30~15:00は同美術館学芸員によるギャラリーガイドが行われるということだ。
サイ トゥオンブリー(Cy Twombly)は20世紀を代表するアーティストの一人。絵画と彫刻の両方で旺盛な制作活動を展開したが、とりわけ絵画作品は「描画された詩」とでも形容すべき独特の作品が遺されている。アメリカ出身だが、20代の終わりにイタリアへ移住し、少しずつ大西洋の両側でアーティストとしての評価を高めて行き、高松宮殿下記念世界文化賞(1996年)、ヴェニス ビエンナーレ金獅子賞(2001年)、レジオンドヌール シュヴァリエ勲章 (2010年)などを受賞している。
また、出品作品の一部は、原美術館の別館である群馬県・渋川市のハラ ミュージアム アークの特別展示室「觀海庵」において展示される。床の間と違い棚を備えた書院造を引用した和風の展示空間(設計 磯崎新)の中で、通常「觀海庵」で展示する古美術作品(原六郎コレクション)と、トゥオンブリー作品が対置する形で展示され、東西の文化圏や近世と現代という時代の違いを超えた美の対話を鑑賞することができる。開館時間は9:30~16:30。休館日は6、7月中の木曜、7月6日~7月17日。入館料は一般1,100円ほか。
なお、関連イベントに関しては原美術館Webサイトで発表されるということだ。