富士フイルムとベルギーimecは6月2日、独自開発のサブミクロンオーダーのパターン形成が可能な有機半導体用フォトレジスト技術を用いて、フルカラーの有機発光ダイオード(OLED)を作製し、その動作実証に成功したと発表した。
具体的には、赤・緑・青の有機EL材料をそれぞれ20μmのサブピクセルピッチでパターニングし、フルカラーの有機ELを作製。縦に40個、横にも40個配列することで640ppiのOLEDアレイを形成し、UV光を照射して試験を行ったところ、3色がともに分離して発光することを確認したほか、光を照射せずに電圧をかけた試験でも3色すべての発光をとらえることに成功したとする。
今回の成果について研究グループでは、OLEDの高精細化や大型化、さらには従来に比べコスト優位性のある製造方法の確立につながる画期的なものであると説明しており、今後は、複数回のパターニングを繰り返すことができるフォトリソグラフィ方式の特性を活かすことで、赤・緑・青に第4の色を加えたOLEDアレイに加え、OLEDと有機フォトディテクタを融合させた新たなセンサなどの次世代デバイスの開発につなげたいとしている。