国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)の研究グループは5月29日、チリにあるジェミニ南望遠鏡を用いて、ケンタウルス座の方向にある太陽型惑星HD 115600の周りに、塵がリング状に分布した構造を発見したと発表した。
同成果は国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)研究員のセイン・キュリー氏が率いる研究チームによるもので、米天文学誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載される予定。
太陽系の海王星軌道の外側には主に氷から成る天体が多数存在する「カイパーベルト」と呼ばれる領域がある。こららの氷天体は惑星形成の名残と考えられるため、若い恒星にあるカイパーベルトを観測することで、初期の太陽がどのような姿をしていたか知ることができると考えられている。
塵のリングが観測されたHD 115600は、太陽より少しだけ重い、太陽が生まれた環境に似た星団に位置している、リングが太陽系のカイパーベルトとほぼ同じ距離にあるなどの特徴から、若かりし太陽にそっくりな恒星である可能性があるという。