日本産業カウンセラー協会は5月29日、2014年度(2014年4月1日から2015年3月31日までの1年間)における全国の相談室(対面相談)および通年無料電話相談「働く人の悩みホットライン」の相談件数と相談内容の統計結果を公表した。
これによると、2014年度における対面による相談件数は、総計4,454件(男性2,264件、女性2,190件)で、2013年度比で4件減。また、通年無料電話相談「働く人の悩みホットライン」は、総計5,323件(男性2,234件、女性3,089件)で、2013年度比1,041件増となり、24%増加した。
「対面による相談室」および「働く人の悩みホットライン」のどちらにおいても30代、40代の企業中間管理職層にあたる年代からの相談が全体の約6割を占めていた。
30代および40代の相談者からの相談内容について分野別割合をみると、対面による相談と無料電話相談を利用した場合のどちらでも、「職場の問題」が最も多く、相談室32.6%、無料電話相談50.1%。さらに、この層からの「職場の問題」における相談内容の内訳は、「仕事のこと(相談室40.7%、ホットライン26.4%)」、「人間関係(相談室36.2%、ホットライン46.1%)」、「職場環境(相談室11.4%、ホットライン7.8%)」、「労働条件(相談室0.6%、ホットライン5.8%)」、「セクハラ・パワハラ(相談室5.0%、ホットライン8.5%)」、「いじめ(相談室1.3%、ホットライン2.9%)」となっている。
「働く人の悩みホットライン」の利用者は、前年度に比べて男性が33.0%増、女性が18.7%増と大幅に増加。
分野別の相談内容では、「職場の問題」がもっとも多く、男性(864件、38.7%)、女性(1,664件、53.9%)で、さらに、この問題に関する相談内訳を男女別で見ると、男性の場合は「仕事のこと(358件、41.4%)」が最も多く、女性の場合は「人間関係(799件、48.0%)」が最多となった。
また、2010年度の885件から、2014年度3,089件と3.5倍に増加している女性相談者に関して掘り下げると、40代が最も多く938件(30.4%)、次いで30代が813件(26.3%)、20代と50代が同数で559件(18.1%)だった。
さらに「働く人の悩みホットライン」を利用した女性のうち、「職場の問題」について悩みを抱えている人は、53.9%にのぼり、その相談内容の上位は、「人間関係」(799件、48.0%)、「仕事のこと」(415件、24.9%)、「セクハラ・パワハラ」(145件、8.7%)、「職場環境」(122件、7.3%)だった。
このことから、女性の相談者は、「職場の問題」で悩んでいる男性と比較すると、件数、割合ともに「人間関係」について悩んでいる人が多いことが分かる。