2004年にインターネットコミュニティシステムの開発販売を手がける企業として創業したコベック。同社は6年前から電子ブックソリューション「Wisebook」を中心とした事業を展開、導入企業は1,000社を超えている。2015年には法人向けオンラインストレージ「Direct Cloud-Box」を展開するジランソフトと資本関係を結んだ。
昨今クラウド技術の高度化に伴い、ビジネスにおけるモバイル活用が加速している。このようなご時世の中で同社がWisebookの新たなソリューションとして発表したのが、クラウド上で電子カタログを作成し、Web集客と社内情報共有に対応する電子カタログサービス「Wisebook Cloud」だ。 Wisebook Cloudの特徴について、コベック Wisebook事業部のマネージャの佐藤裕太氏に話を聞いた。
Web販促や集客に貢献できる電子カタログ
Wisebook Cloudは、コベックが提供するクラウドサーバー上で手元のファイル(PPT/DOC/PDF/JPEG) をマーケティングに適したコンテンツに変換し、ドキュメントの用途や機密性レベルに合わせてWeb集客または社内で情報共有できるクラウドサービスだ。
佐藤氏は、過去数年前までは印刷コストを削減したい。また、電子カタログと比較すると、印刷物はどうしても情報伝達に時間がかかる。販促や集客を行う上で情報の鮮度は大切という視点で電子カタログを導入する企業が多かった。しかし、昨今では電子カタログに期待されることは、Web販促や集客にどれだけ貢献できるかといったところだ。そのため、大量のカタログ情報から必要な情報をすぐに見つけ出しWebサイトへ送客したり、出先でスマートデバイスを利用して営業ツールとして活用したい要望も多くなった。
しかし、多くの企業は電子カタログを販促や集客につなげる方法がわからず、電子カタログを作成し自社サイトに公開するといった従来の運用方法を踏襲している。これではせっかくお金をかけて制作した電子カタログのメリットが生かしきれないと指摘。 「Wisebook Cloudを利用することで、われわれが提供するCloudviewerにコンテンツを公開することで通常より5倍の集客アップが期待でき、社内外でスマートデバイスからコンテンツにアクセスし情報共有・営業ツールとして活用できる機能も提供します。また、電子カタログの作成や管理にかかる手間やコスト削減が可能となります。」と話す。(佐藤氏)
電子カタログの作成や配信の手間が半減
「お客様が作成したPDFやPPT、DOC、JPEGといった形式のファイルをクラウド上にアップロードし、Wisebookの変換ツールを使うことで、自動的に電子カタログが作成できます。作成したコンテンツは、お客様のサイト上で公開することもできますし、われわれの電子カタログ集客支援Cloudviewerに公開し、アクセスを増やし、Web集客につなげることも可能です」と、佐藤氏はWisebook Cloudの特徴について説明する。
また、電子カタログの作成方法は極めてシンプルだ。デジタル化するファイルは、複数まとめてクラウド上にドラッグ&ドロップし、一括変換できる。電子カタログ内には、ハイパーリンクを貼ることができ、さらにHTMLで作成されたリッチコンテンツや動画、音声ファイルなどを埋め込むことが可能だ。 また、ユーザーからの問い合わせや資料請求、申し込みなどの行動につながるリードマーケティング 機能も提供される。 サーバーにはコンテンツ作成から配信まで自動で処理する機能が備わっている。コンテンツは、「カタログ」「フリーマガジン」「会報誌・広報誌」「新聞」「書籍」「コミック」といったカテゴリ別に登録でき、ユーザーがカテゴリごとにコンテンツを探しやすい仕組みを取り入れている。
コンテンツ管理者は、配信システムのCMSを利用して複数のコンテンツをまとめて管理でき、コンテンツの公開・非公開・限定公開といった設定ができる。アクセス解析機能では、訪問者数やページビュー、特定箇所の拡大回数、動画再生回数などが把握できるほか、iOS、Android、PCといった端末別のアクセスも集計できる。また、ヒートマップ機能では、電子カタログ内で拡大された回数をヒートマップ形式で表示。読者が興味を持つ場所やページの離脱箇所がピンポイントで把握でき、コンテンツの改善につなげることも可能だ。
Wisebook Cloudで作成したコンテンツは、PC上はもちろん、iOS、Android、Windowsタブレットなどさまざまなデバイスで閲覧できる。PCブラウザではFLASH形式のビューアを介して、またモバイルブラウザではHTML5形式のビューアを介して閲覧できるようになっている。また、iOSやAndroidデバイス向けには専用のアプリを用意。アプリを活用して閲覧することも可能だ。
コンテンツは、キーワードを使って検索できるほか、カテゴリ別にリストの中から探すことも可能だ。また、ダウンロードしたコンテンツはローカル環境の本棚に格納され、コンテンツが更新された際には本棚のサムネイルにて通知される仕組みとなっており、常に最新のデータを利用する事が可能だ。
Wisebook Cloudで作成したコンテンツは、画像を分割したりXMLデータを難読化する機能を実装しているためコンテンツの二次利用を防ぐことができる。
Wisebook Cloudを販促ツールとして活用していただきたい
Wisebook Cloudは、「ハイブリッド」と「トライブリッド」の2プランが用意されている。両プラン共に、動画や音声などのマルチメディアへの対応や、マルチデバイスに対応するといった機能面はほぼ同じだが、トライブリッドプランではネイティブアプリのビューアを提供し、コンテンツをオフラインで閲覧することが可能となる。月額費用は両プラン共に5000円から(税別、HDD容量が1GBの場合)で、トライブリッドプランの場合は初期費用5万円(税別)が別途必要となる。
今後のWisebook Cloudの方向性について佐藤氏は、「電子カタログを見やすさや操作性という観点だけでなく販売促進に役立つツールとして進化をとげたいと考えています。具体的には、お客様が電子カタログに商品検索や在庫状況の確認ができる機能を付加し、問い合わせや商品購入につながる販促ツールとして活用できるようにしたいですね」と語る。