ファーウェイ・ジャパンは5月21日、今年2月に新たに代表取締役社長に就任した王剣峰(ジェフ・ワン)氏を紹介するとともに、ファーウェイの現況、ならびに今後の日本市場における事業戦略についての説明会を開催した。

昨年度、同社は通信事業者向けネットワーク事業(通信インフラ)、消費者向け端末事業(スマートフォン等)に続く第3の柱として、法人向けICTソリューション事業を本格化させたほか、MVNO市場の急速な発展に呼応して多数のSIMロックフリー端末を投入している。

ファーウェイ・ジャパン 代表取締役社長 王剣峰(ジェフ・ワン)氏

王氏はまず2014年度のファーウェイのワールドワイドでの業績について触れ、売上高が前年度比20.6%増の5兆5,507億円、純利益は前年度比32.7%増の5,374億円となり業績が好調な点をアピールした。

売上の7割近くを占めるのは主力の通信事業者向け事業だが、コンシューマ向け事業は32.6%と伸びが最も大きく、法人向け事業はそれに次ぐ27.3%の伸びになっている。

王氏はその要因として金融、エネルギ、交通産業にフォーカスした点を挙げた。

ファーウェイの2014年度の業績

法人事業は注力する産業をフォーカス

王氏は法人事業について、「ファーウェイは世界トップ500のうち100社に提供し、売上は全体の7%を占めている。特徴は積極的な研究開発継続投資とイノベーションを起こしている点にある」と説明した。

3事業の売上げ比率

同社は毎年全体で、売上の10%以上を研究開発費に投資しており、2014年は売上の14%にあたる7,800億円を投資したという。

2015年度の法人向け事業の経営フォーカスポイントとしては「革新的、差別化されたソリューションを提供して顧客を獲得し、パートナーとは、リサーチ、研究開発などより深いところで連携し、エコシステムを構築していきたい」と語った

なお、日本法人であるファーウェイ・ジャパンは今年で設立10周年を迎えるが、日本法人の戦略は、これまで同様、現地化経営、現地採用などの「現地化」、パートナーとWin-Winの関係を築く「協業」、共同イノベーション、新技術の共同実験などの「革新」という3つのでいくとし、注力する分野としてはISP、データセンター、インターネットを挙げた。

そして、ファーウェイにおける日本市場については、「日本は先端をいっており、ファーウェイおける日本の地位は高い。日本には、ものを売る市場というだけでなく、研究開発と調達に期待している。日本部材の品質は高く、それが我々の製品の差別化にもつながっている。日本からの調達額は売上額を上回っており、今後は安定したWin-Win関係を築き、先端的技術や部材によって競争力を高めていきたい。それは結果的に、日本の世界進出を手助けすることになる」と述べた。

日本には部材調達先としても期待