日本のスタートアップ企業・FOVEは5月19日、同社のVRヘッドマウントディスプレイ「FOVE」の量産開始に向け、クラウドファンディングサイトKickstarterでの資金調達を開始すると発表した。
「FOVE」は解像度2560×1440のディスプレイに視線追跡技術と動作追跡技術を組み合わせたヘッドマウントディスプレイ(HMD)で、装着者の頭と眼の動きを追うことによって映し出される映像を操作する事ができる。ユーザーの視線が注視している部分にのみレンダリングパワーを集中させる技術を採用しており、将来的には低スペックのPCやスマートフォンなどでもVRを楽しむことができるようになるという。
また、視線追跡技術を導入していることで、例えばキャラクターとアイコンタクトを交わすことなどが可能となるため、よりインタラクティブなVR体験を提供できる可能性がある。そのため、エンターテインメントだけでなく、医療、教育、観光など幅広い用途での活用が期待されている。
今回の資金調達は25万ドルを目標としており、同日よりKickstarterで349ドル以上の出資者を対象にヘッドマウントディスプレイ本体の特別先行予約を受け付ける。
同製品は現在、コンテンツデベロッパーと共同でコンテンツを開発している段階で、来年の春を目処に開発者キットが提供される予定。また、Wear VRとパートナー契約を締結するなど、実用化に向けて着々と準備が進められており、顔認識技術の搭載など、新たな展開も用意しているという。
発表会には学生時代にVRを学んでいたという女優・池澤あやかさんも登場し、「FOVE」を装着し目からビームを発射するシューティングゲームを体験。池澤さんは「手で操作するHMDは体験したことがあったが、眼で操作すると手でやるよりも違和感がなく、すばらしいと思った」語り、操作性の良さに驚きの声を上げた。