東京都・丸の内の東京ステーションギャラリーは、自己の内面を掘り下げ精神性の高い作品を描き出した、金沢出身の画家・鴨居玲の展覧会「没後30年 鴨居玲展 踊り候え」を開催する。会期は5月30日~7月20日。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで)。入館料は一般900円、高校・大学生700円、中学生以下無料。
同展は、鴨居玲の没後30年に際し、10代の自画像から遺作まで、57年の生涯で残された油彩の代表作をはじめ、素描、遺品など約100点を一堂に展示するもの。自己の内面を掘り下げた精神性の高い作品を描き続けながら、1985年、57歳で急逝した同氏の、東京では25年ぶりの回顧展となる。
金沢で生まれた同氏は、新聞記者の父の転勤に伴い子供のころから転校を重ね、南米、パリ、ローマ、スペインを渡り歩いた。各地で出会った社会の底辺に生きる人々をモティーフ制作された作品は、そのいずれもが自身を投影した自画像ともいわれている。人間の内面を見つめ、自己の存在を問い続けた作品は、今もなお、見る人の心に強く訴えかけてくる。多くの人を惹きつけてやまない崇高な芸術世界を堪能できる展覧会だ。
また、関連企画として学芸員による展覧会解説「ギャラリートーク」が行われる。開催日時は6月5日および6月26日の15:00~15:30。そのほか、同ギャラリーのレンガが特徴的な建物を解説する「レンガ・タッチ&トーク」を開催。日時は6月12日・7月3日・7月10日の18:00~18:20。いずれも入館料のみで参加することができる。