5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催されている、日本最大級のIT専門展「Japan IT Week 春」。今回は「クラウド コンピューティング EXPO 春」の出展社の中から、企業向けIT運用管理ソフトウェアを提供しているゾーホージャパンのブースをレポートしよう。

全世界で10万社以上が導入する「ManageEngine」

ゾーホージャパン マーケティング部 マネージャ 曽根禎行氏

ゾーホージャパンブースのメイン展示は、計12製品で構成されるWebベースのIT運用管理ソリューション「ManageEngine」だ。このManageEngineは、大きく「ネットワーク管理」「セキュリティ管理」「AD(Active Directory)管理」という3つのカテゴリに分かれており、各企業が予算やニーズに応じて必要な製品を選べるのが特長。企業規模の大小に関わらず、必要なソリューションをチョイスして導入するといった「小回り」が利くのがうれしいところだ。また、グローバルビジネスに最適な29言語対応で、その実績は全世界10万社以上にもおよぶ。

Jpan IT Week 春 2015 クラウド コンピューティングEXPO春 同社ブース

同社では今回、ブース内を前述の3カテゴリに分け、それぞれの製品についてデモを交えて解説していた。それでは早速、各カテゴリの展示内容を紹介しよう。

スピード導入とサーバ・ネットワークの総合監視を実現

ネットワーク管理 「OpManager」の画面

まずネットワーク管理で注目したいのが、サーバ・ネットワーク統合監視ツール「OpManager」だ。こちらは、インストールから約10分で監視がスタートできる手軽さがポイント。IPアドレスの範囲を指定し、ディスカバリ機能で装置を一括登録するだけで簡単に監視を始められるほか、直感的に操作できるグラフィカルなUIも特長となっている。もちろん手軽なだけでなく、必要に応じてオプションを追加すれば、35種類以上の機能を利用できるようになるのも魅力のひとつだ。これにより、ITワークフローやネットワーク機器コンフィグ管理、ファイル内文字列検索からアプリケーション監視まで、ニーズに応じた柔軟な対応が可能となっている。 さらに、仮想サーバを使用している企業にも朗報がある。VMware ESX/Hyper-Vで構築した仮想サーバについても、単一コンソールから物理サーバと同じように一元監視できるのはありがたい。 OpManager以外では、NetFlow/sFlowに対応したフローコレクタ「NetFlow Analyzer」も気になるところ。アプリケーションごとの帯域使用が一目で分かるグラフィカルな表示や、ドリルダウンによる原因追跡により、迅速に問題の通信を特定することができる。

セキュリティ管理で内部犯行を防止・抑止

セキュリティ管理のカテゴリでは、特権ID管理ツール「Password Manager Pro」に注目したい。こちらは、システムの運用や障害対応に欠かせない特権IDについて、申請/承認/貸出/返却のワークフローを自動化することが可能。セキュアに特権IDが利用できるようになるほか、システム管理者の業務負荷も軽減してくれる。また、パスワードの定期変更・管理やオペレータ操作画面の録画機能を備えており、内部犯行の防止・抑止効果も期待できる。

セキュリティ管理 - 特権ID管理の画面

そしてもうひとつ、AD監査レポートツール「ADAudit Plus」も紹介したい。ADAudit Plus とは、Windows Active Directory上で行われるオブジェクト変更やアカウント情報の更新などのイベントを可視化し、コンプライアンス監査対応を効率化する監査レポートツールである。このADAudit Plusを使うと、AD上で行われる変更情報の一元管理が可能だ。AD内のITリソースも監査し、セキュリティログを一元的に長期保存できる。ADに特化した150種類以上ものレポートを自動生成してくれるのも大きなポイントだ。 これらの製品は、近年企業で取り組みの強化が進む内部統制に加え、10月から通知が始まるマイナンバー制度への対応という観点からも、今後さらに需要が高まる分野だろう。

ユーザーアカウントの一括作成・変更に便利なAD管理

AD管理のカテゴリでは、Active DirectoryのID管理ツール「ADManager Plus」に注目が集まっていた。前述のADAudit PlusがAD上で行われるユーザー操作を監視するレポートツールであるのに対し、ADManager Plusは、大量のユーザーアカウントを一括で作成・変更できる。人事異動や組織改編などの際に一括設定と更新日のスケジュール化が行えるほか、ユーザー管理タスクの自動化やスケジュール化、さらにはセキュリティコンプライアンスに対応した申請・承認ワークフローも備えているため、ミスがなく効率的なAD管理が行えるようになる。システム管理者の業務負荷軽減はもちろん、スクリプト作成のナレッジ不足に悩む企業にもお勧めといえる。

AD管理の画面

ブース取材に対応してくれたゾーホージャパン マーケティング部 マネージャの曽根禎行氏は「お客様からも『使いやすい』『引き継ぎなしでも運用できている』といった声をいただいています」と、ManageEngineの特長について語る。 確かに近年では、「なんとなく有名だから」という安心感で大手ベンダーのIT運用管理製品を導入したものの、蓋を開けてみると「使わない機能まで含まれている」「UIが複雑で使いづらい」「コストが高い」などの悩みを抱える企業が増えている。ManageEngineはこうした課題を払拭し、“IT運用管理をシンプルにする”画期的なソリューションというわけだ。どのIT運用管理製品を選べば良いか分からないが現状に不満があるという企業は、ぜひ一度問い合わせてみてはいかがだろうか。