サンディスクは5月11日、同社のPCI Express(PCIe)接続型フラッシュストレージである「Fusion ioMemory」の新製品「Fusion ioMemory SX350」を6月1日より法人向け販売代理店を通じて提供開始すると発表した。
「Fusion ioMemory SX350」は、容量1,250GBの「SX350-1300」、1,600GBの「SX350-1600」、3,200GBの「SX350-3200」、6,400GBの「SX350-6400」の4種類が用意される。
新製品は、サンディスク製NANDフラッシュメモリーとVSL(Virtual Storage Layer)データアクセスアクセラレーションソフトウェアを搭載することで、従来製品である「Fusion ioMemory ioDrive2」と比べて最大61%の低価格化(定価ベース)と2倍のパフォーマンスを実現し、これにより価格性能比は最大4倍向上したという。
Fusion ioMemory PCIeアプリケーションアクセラレーターは、従来のハードドライブベースのストレージシステムからデータを抽出するための時間短縮を図る製品。Fusion-ioが2008年から提供しているが、昨年、SanDiskがFusion-ioを買収した。
これまで、さまざまなベンダーのANDフラッシュメモリーを搭載してきたが、SX350は初めてサンディスク製NANDフラッシュメモリーを搭載。従来の同NANDフラッシュメモリーは、三重県四日市の工場で生産されたものを利用している。また、保障期間は、従来の3年から5年に延長された。
サンディスク シニアマネージャー コマーシャルセールスマーケティング 山本哲也氏は、「新製品の特徴は、パフォーマンスが高く、大容量で、信頼性が高いことだ。アプリケーション遅延が与えるビジネスインパクトは大きい。新製品はパフォーマンスの高速化のための製品だが、我々は今後、性能あたりのコストの適正化にフォーカスしていきたい。これまでは、データベースに対して効果があるということで、使われてきたが、新製品もデータベースの最適な超高速データベースシステム基盤となっている」と説明。
サンディスク ディレクター エンタープライズセールス 奥村英記氏は、今後の国内戦略について、「サンディスクはメモリーカードなどリテール製品で有名だが、昨年の売り上げは、リテール製品が33%で、企業向けは67%だ。そういう意味で、サンディスクはエンタープライズ向けの企業だ。2008年からFusion-ioがPCIeストレージ製品を出しているが、サンデイスクが買収することにより、Fusion-ioの長年の技術に、サンディスクのNANDフラッシュメモリーを組み合わた製品が可能になった。すでに国内のユーザー数は400を超えるが、まだまだ少ない。今後はアライアンスを強化し、これまで強かったSQL Server用途をさらに強化するほか、VMwareや製造業のお客様のビッグデータ用途などエンタープライズ分野を開拓していきたい」と述べた。