PFUは5月11日、同社の産業用組み込みコンピュータ「AR2000シリーズ」に第4世代 Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Haswell)を採用した新モデル「AR2000 モデル430J」ならびにARシリーズ専用オプションの第2弾として「EtherCATカード」を発表した。

モデル430Jは、搭載を従来モデルの「IvyBridge(開発コード名)」からHaswellへと変更することで、既存のAR2000シリーズのサイズ(178mm×175mm×50mm)を維持しつつ、処理性能やデータ伝送性能、グラフィック性能などを向上させることを可能としたもの。プロセッサとしては「Core i5-4400E(2.7GHz動作/ターボブースト有り、2コア/4スレッド)」もしくは「Celeron 2000E(2.2GHz動作/ターボブースト無し、2コア/2スレッド)」のいずれかから選択可能。内蔵ストレージは500GB HDDもしくは128GB Q-MLC SSDのいずれかを選択可能となっている。

USB 3.0ポートを2つ搭載するほか、DVIも2ポート搭載し、さまざまな用途に対応することが可能。同社では主に工作機械、半導体製造/試験装置、医療機器、自動販売機、デジタルサイネージなどの分野に向けて提供を行っていく予定としている。

一方の「EtherCATカード」は、ARシリーズの機能を拡張する専用オプションで、カード側にARMコア内蔵CPUを搭載することで、ホストCPUの負荷軽減と安定した通信を可能とした。マスター/スレーブの双方の機能を提供しているほか、acronis technologies製EC-Masterを搭載しており、EtherCAT Master Class Aに準拠した高速かつ高精度な通信を可能としている。

さらに、自社での設計・製造のため、安定した品質と長期供給、そしてトラブル発生時の迅速なサポートも提供可能だとする。ただし、PCI Expressのスロットを搭載していないなどの理由でAR2000/4500シリーズには搭載ができない点に注意が必要となっている。

なお、AR2000 モデル430JならびにEtherCATカードは即日受注を開始しており、いずれも2015年9月より出荷を開始する予定と同社では説明している。また、専用オプションについては、現在、新たな製品ラインアップの開発を進めており、顧客の要望次第ながら、新たな製品の年内発表もあるとしている。

同社は5月13日より東京ビッグサイトにて開催される「第18回 組込みシステム開発技術展(ESEC 2015)」にブースを出展する予定で、同ブースにて、現行のIntelプロセッサを搭載したすべての産業用組み込みコンピュータの展示を行う予定だという。

AR2000 モデル430Jの外観。左はDC入力タイプ。中央と右はAC入力タイプ

ARシリーズ専用オプションの「EtherCATカード」。ARMコアを内蔵したプロセッサを用いることで、ホストCPUに負荷をかけずに通信を行うことも可能