パテント・リザルトは5月8日、「大学・研究機関 他社牽引力ランキング2014」を発表した。これは、2014年の特許審査過程で他社特許への拒絶理由として引用された件数を集計したもので、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多く保有している機関がわかる。
ランキングでは、産業技術総合研究所(産総研)が1450件で1位となり、2位に科学技術振興機構(JST)が800件、3位に285件で東北大学(東北大)が続いた。
産総研の特許で最も多く引用されたのは昭和電工との共同保有となっている「バイオマス由来のコハク酸系組成物」に関する特許(特許第5365824号)で、後発の特許12件への拒絶理由として引用された。また、産総研の特許に最も影響を受けた件数が多いのは東芝で、分野別では触媒やカーボンナノチューブ、バイオテクノロジーなどに関する技術が多く引用された。
2位のJSTの特許で最も引用されたのは、東京工業大学の細野秀雄教授らの発明による「薄膜トランジスタ及びその製造方法(特許第4620046号)」で、後発の特許24件の審査過程で拒絶理由として引用された。このほかではHOYAとの共同保有となっている「ホモロガス薄膜を活性層として用いる透明薄膜電界効果型トランジスタ(特許第4164562号)」なども引用件数が多いという。
3位の東北大ではセイコーエプソンとの共同保有となっている「流体噴射装置および手術具(特許第5082049号)」の特許が最も引用されており、「トランジスタ及び半導体装置(特許第3276930号)」なども多く引用された。