大日本印刷(DNP)は5月8日、生活者や会員に向けた事業を行う企業向けの新サービスとして、生活者の価値観を判別する「価値観クラスター判別APIサービス」開始した。月間利用料は、初月が15万円、次月以降は10万円(いずれも税別)。2015年度で10億円の売上を目指す。
新サービスは、企業の顧客である生活者を10設問34項目のアンケートに対する回答から5つの基本クラスタ(集まり)または21の応用クラスタに分類し、その生活者の価値観を判別するもの。
同サービスを利用する企業向けに、ネットワークを通じてDNPの価値観クラスタを判別する機能を利用するためのAPIを提供する。このAPIサービスを利用することで、アンケート回答者の価値観クラスタを即時に判別することができるという。ユーザー企業は自社の顧客の価値観をより精緻に捉えることが可能になり、マーケティング活動の質の向上につなげられるとしている。
また、同社が提供するWebサービス「DNP生活者情報活用支援サービス 生活者DNA・商品DNA」と、「DNPレシート読み取り家計簿アプリ レシーピ!」(レシーピ!)を連動させてデータの分析精度を高める取り組みを行うと共に、レシーピ!ユーザーには、アプリ内で簡単なアンケートに答えて診断する「お買い物タイプ診断」を提供する。
DNP生活者情報活用支援サービス 生活者DNA・商品DNAは、10設問34項目のアンケートから生活者の価値観を判別する「生活者DNA」と、自社の商品がどんな価値観を持つ生活者に購入されるかといった商品価値を判別する「商品DNA」を特定する。DNPはこのデータに企業の会員データを組み合わせて、生活者個々の価値観に合ったプロモーション活動を支援するマーケティングサービスを行っているという。
レシーピ!のお買い物タイプ診断では、生活者がアプリの中で5分程度のアンケートに答えると、生活者の日々の買いものや支出の癖を診断してタイプ別に家計管理や節約のアドバイスを行う。同アンケートは価値観クラスタの分類に基づいて診断するとのこと。
同社は今後、企業が持つ顧客情報やID-POS情報、SNSなどを価値観クラスタと連携させることで、様々なシーンでの生活者の価値観やライフスタイル、購買傾向を分析し、マーケティング・データとして提供していくという。 さらに、生活者の価値観に応じて企業のプロモーションを最適化することで、企業や商品のブランド価値や費用対効果の向上に結び付けていくとともに、商品開発や店舗開発などの事業活動の支援も行う意向だ。