ヴァイナスは5月7日、英国Advanced Design Technology(ADT)が開発を行っているターボ機械流体設計統合システム「TURBOdesign Suite」の最新バージョン「TURBOdesign Suite 5.2.5」の国内販売を開始したと発表した。
同システムは、ポンプ、ファン、コンプレッサ、タービン、ターボチャージャなどターボ機械全般に適用可能なソフトウェアパッケージで、先端技術である3次元逆解法を使用した非粘性翼設計モジュール「TURBOdesign1」を中心に、子午面形状設計、最適化設計モジュールなどで構成されている。
最新バージョンとなる「TURBOdesign Suite 5.2.5」では、スクラッチからの形状最適化設計を念頭に、子午面形状設計の適用対象の拡大、ターボ機械全タイプの子午面形状のパラスタ機能の追加、鋳造やプレスにおける製作上の制約や熱応力に対する強度確保を考慮した形状修正機能などを追加しており、リードタイムの削減を図れるようになったほか、従来の設計では達成できなかった性能向上が可能となったという。
具体的には、設計仕様と制限項目を入力することで、スクラッチ設計時に決定が困難なインペラ、ディフューザの子午面形状およびボリュート/スクロールの面積変化のリーズナブルな解を十数秒で計算でき、これにより形状最適化の工数削減を図ることが可能となる子午面形状設計モジュール「TURBOdesign Pre」に、遠心ポンプ、遠心コンプレッサ、径流タービンに加えて遠心ファン、斜流ポンプを追加。設計の幅を広げた。
また、非粘性3次元逆解法翼設計モジュール「TURBOdesign1」では、遠心型、斜流型に加えて軸流型についても子午面形状をパラメータ指定できるようになったほか、翼形状修正モジュール「TURBOdesign CAD」では、ファンのプレス加工のために必要な、前・後縁の翼角度調整およびターボチャージャのタービン設計で熱応力に対する強度確保のために重要な径方向フィラメント形状への修正機能が追加されたという。
なおヴァイナスでは、国内の自動車、重工業および各種産業機械メーカーを中心に、初年度20ライセンスの販売を見込んでいるとするほか、販売価格は、年間ライセンス330万円(税別)~、永久ライセンス990万円(同)~としている。